11 メンバー選定
「えへへ、お姉さまに褒められると照れちゃうなー」
ミリエラがくすぐったそうな笑顔を浮かべた。
「お主も戦力として期待しているぞ、ミリエラ」
「はーい、お任せをっ」
ミリエラはいつも以上に元気いっぱいだ。
「で、本題に戻すが――さっきも言った通り、当面の目標は装置の破壊じゃ」
と、アルジェラーナ。
「とりあえず、まずは一つ。装置の破壊を成し遂げれば、邪神復活の脅威は遠のく」
「できる限りの戦力を与えて、総攻撃をかけるか?」
「いや、異空間に入れる人数は限られておる。それに、こちらの動きを悟られると、装置自体を別の場所に移されてしまうだろう。あまり時間をおかず、すぐに集められる精鋭メンバーで奇襲をかけるつもりじゃ」
「人数が限られている……?」
「装置がある異空間は、古来種による厳重な結界で守られておるからの。いかにわらわとて、これを完全に破ることはできん。せいぜい五人……いや、六人が通ることのできる穴を開けるのが限度じゃな」
「六人か……」
「わらわとジラルド、ソフィア、それにミリエラは決まりじゃ。あと二人ほど連れていけるが、あまり時間はかけられんぞ。せいぜい三日じゃな」
「戦力的にはガウディオーラとミーシャだな」
俺が言った。
かつての五大英雄、『白の賢者』と『翠の聖拳』。
さすがに全盛期ほどの力は持っていないが、それでも超一流の魔法使いと武闘家僧侶である。
若い世代での最強格の戦士や魔法使いなどよりも、この二人の方がずっと強いだろう。
それに加えて、邪神大戦時の経験もある。
「二人に連絡は取れるのか。わらわもお主とガウディオーラ、ミーシャの三人はメンバーに考えておったが、居場所が分からなくてな」
と、アルジェラーナ。
「幸い、ジラルドには半ば偶然だが再会できた」
「……偶然だったのか」
「居場所が分からないから、とりあえず適当に空を飛んで探してみたのだ」
「あいかわらず、おおざっぱだな……」
思わず呆れる俺。
とはいえ、そんなところは以前とまったく変わってないな……と懐かしさもこみ上げていた。
「ガウディオーラなら、孫娘のリーネを介して連絡できるかもしれないな。リーネは近くのギルドにいるし」
そう、彼女はヴェルナたちのギルド『守護の剣』に所属しているのだ。
「ミーシャの方は異能の里にいるだろうが……少し遠いな」
「場所さえ分かれば、わらわがひとっ飛びじゃ」
「なるほど、確かに……」
――というわけで、俺はリーネを訪ねて『守護の剣』に、アルジェラーナはミーシャがいるであろう異能の里に、それぞれ向かうことになった。
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