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黒き森に眠る女王  作者: 椙本 龍
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プロローグ ~眠りと目覚め~

初めまして、椙本 龍(すぎもと 龍)と申します。

初めての小説で、なかなか勝手がつかめず、色々と間違った書き方をしてしまうと思います。

全力で皆様が楽しく、イメージを作りやすい文章作りを心がけていきますので、どうぞよろしくお願い致します。

 辺り一面には花畑が広がっている。

女性を抱えた男性が花道を歩いている。男性はゆっくりと女性を降ろすと、その場に膝をついた。女性は男性を見て、憂いを帯びた表情を浮かべている。

男性がゆっくりと口を開く。


「あなたを幸せにしてあげたかった」


 男性はそう言い残し、動かなくなる。そして、女性の嘆きと共に辺りに暗闇が広がった。


****


ーー生きて。


 ハッと少年の目が開く。


(暗っ!どこだ、ここ?)


 少年は暗闇に目を凝らすが、何も映らない。


(アレス・グラニクス、歳は14、レニア村育ち。うん、自分のことは大丈夫。けどそれ以外が思い出せないな。)


 暫く考え込む。と、アレスは未だに視界に何も映らない事に気づいた。この不可解な状況にアレスは首をかしげる。視界に何の光も入らない恐怖に一瞬身がひるんだが、この空間で時間だけを過ぎ去らせるわけにもいかなかった。

 アレスは立ち上がり、歩みを前へと進めていった。


****


(ながいよっ、どこまで続くのこの暗闇は!)

 

 かれこれ30分近く歩き続けていたアレスが悪態をつく。どこまで歩みを進めても、アレスの視界には星の光すら映らない。すると突如足に触れる何かに躓き、よろける。


 「うぉっと……何?」


 確認しようと足元を見るが、全てを飲み込む黒に染められ、認識することは叶わなかった。

 見ることができないならと、触れてみる。


 「なんだろこれ、硬いな?」


 謎の物体の全体に満遍なく触れていく。迷いなく手を動かしていくと指に鋭い痛みが走った。


 「いてっ!何だこれ、危ないな!」

 

 指先を血が伝う感覚にあう。謎の物体が気になりながらも、その場を後にし、歩みを先へ進める。

 しばらく歩くと、暗闇の中に天へと登る細い光が視界に映った。暗闇の中で、心も体も疲弊しきっていたからか誘われるように光のある方へ足を進める。

 その光の下へと辿り着くと、そこには女性が横たわり眠っていた。

 女性は肌が雪の様に白く、対照的に唇は真紅に染まり、髪は漆黒であった。その女性以外の全てが黒く染まった世界で、しかしその女性だけははっきりとその全てを認識させていた。


 「綺麗だ……」


 あまりの美しさに思わず声が漏れてしまう。感動を覚えると同時に、その心にはどこか懐かしさがあった。アレスが触れたいと感じた時には、既に体は跪き彼女へと手を伸ばしていた。その手が彼女に触れたと思った瞬間、手は彼女をすり抜けていた。

 

 「えっ?えっ!?」


 彼女に触れようと何度も試みるが、全てが空を切り彼女に触れることは叶わなかった。

 アレスは光が女性のみを照らしており、彼女以外の存在が視認できていないことに気がついた。


 (この人が光を奪っている、とか?)


 不思議な状況に推測を立てる。その時、彼女の手の中で緑色の輝きが生まれ、声が聞こえた。


 「彼女を疑うな。」

 「うわあっ!だ、だれだれ?誰かいるのか!?」

 

 暗闇に突然聞こえる声に驚き慌てるアレス。声は淡々と続ける。


 「世界に散らばる夢の欠片を集めろ。世界の……彼女の為に」

 「へぁっ?ユメノカケラ?何それ、綺麗そう。どんな形してるんだ?」

 「見ればわかる。それに説明できるものではない。見れば必ず分かるはずだ」

 「いやわかんないと思うけどな、俺何にも覚えてないし」

 

 いやいやと首を横に振るアレス。彼は決して押し付けられる役目を嫌がっている訳ではない。むしろ目的を持って行動できることに内心踊っていた。しかし、役割を成し遂げる為に必要な情報を得ようとする使命感から、簡単に承諾はしない。


 「安心しろ、必ず分かる。彼女を見る時に不思議な感覚があるだろう。これと同じになる物を探せ」


 声の言う通り、アレスは彼女を見ている時だけ愛情とも憎悪とも違う、しかし大切で守らなければならないそんな感覚を得ていた。


 「分かった。その夢の欠片ってのを集めればいいんだね。その後は、どうすればいい?」

 「その時にまた導こう。さあ、私に触れろ。ここから出してやる」


 アレスは不納得な様子ではあったが、既に湧き上がって来ていた好奇心がその手を光へと伸ばしていた。アレスの手が光に触れる。

 ーーーー辺りが光に包まれた。

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