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異世界に来たようです!

うーん、ですね

気がつくと、目の前には空があった、微風が服の隙間から肌を撫でるように流れて行く、柔らかい太陽の光の温もりが彼の体を包み込み、背中の石が彼の体に程よい冷たさを与える、人々の賑やかな声が聞こえる。頭上から誰かの寝息が聞こえてきたが、それもこの心地良さの前では気にする程でもないだろう、そしてクイナは何故か自分が仰向けになっていることに気付き、そっとその体を起こす。

そして辺りを見ると、そこは広場だった、前にも来たことのある場所、クイナが自身の下を見ると、自分が石造りのベンチに寝転がっていたことに気付く。そのベンチは円形で珍しい形をしている、そしてそこには別の何者かがぐっすりと眠っていた。

エヴィルドルグか?

そこはエヴィルドルグにある広場に似ていたが、だがそこは前に来た時より明らかに雰囲気が違うのが分かった。


「、なんだ今のは?強制テレポートか?」


すると序盤で聞こえた寝息の方向から誰かのあくびが聞こえた


「はぅぁ〜!」


その方向を見るとそこにはユリスが体を伸ばしていた

するとユリスはこちらに気づき、不思議そうな顔で言う


「今の?何を言っているんですかクイナ様?」


「……………」


「はい!?」


急な言葉にクイナは数秒の間を空け、声に出して驚いてしまった


「急に驚いてどうしたんですか主さま!?」


ユリスも驚いたクイナを見て驚いていた


主?いや待て待て、ついさっきまでユリスは俺のことを"クイナさん"と呼んでいたハズだが………主?いや確かに良く考えるとユリスと俺は主従という関係なのだが…主?…………一旦考えるのをやめよう


「い、いやなんでもない。」


イミガワカラン、まずこの状況自体がわからないぞ…まず何故俺は眠っていたんだ?


「あ、そういえば俺達はさっきまで何をしていたんだ?」


(一度冷静になって、まずは今の状況を知ることから始めることにしよう…)


「さっきまでって、さっきまでいつも通りぐだぐだ〜っと過ごしてたじゃないですか?」


(うん!意味がわからん!)


「…いつも通りってどんなことだっけ」


「そりゃあもう散歩したり〜ご飯食べたり〜昼寝したり〜とにかく色々ですよ!」


(早速つまずいてしまった…、というよりなんでこうなっているんだ…?さっきまでのは何だったんだ?そういえば何をしようとしてたんだっけ…)


クイナは今の状況が読み込めず、まずは何をしようとしていたかを思い出す事にした。


(えーっと……そうだ、丁度ログアウトしようとしたら…メニューにログアウトボタンがなかったのか、じゃあもう一度メニューを開けば何かわかるかも)


「メニューオープン!」


「………」


「コマンド2-3、ヘルプ!」


「…………」


何も起きなかった、メニューは開かず、そして周りの鋭い視線は明らかにクイナへと向けられていた

それもそうだ、人が沢山いる場所で意味のわからない言葉を、それも大声で発せば当然の反応が返ってくるだろう


「何だあいつ」


「さあ、最近嫌なことでもあったんだろ」


「何あの人…関わらないほうがよさそう……」


「ママなにあれぇー」


「こら!見ちゃだめ!」


周りの人々の声は実に鮮明にクイナの耳に聞こえている


「く、クイナさん…?何かあったんですか…?それとも…新しい魔法ですか…?」


ユリスも同様に困惑していた。


何てことだ…俺は周りから変質者か何かと勘違いされてしまったのではないか……?

いや落ち着け落ち着け……さあ俺の脳内をフル回転させろ!今はメニューが開けないということを優先しよう……まずなぜメニューが開けないんだ?

もしかして開き方が変わったのか…?そ、それじゃあスキルみたいに感じてみれば、でもそんな訳ないよな、まさかそんな訳……


クイナは疑いつつもやると、ピコンという機械音に続けてインベントリという画面が目の前に現れた


アッテマシター!

でもこれだと開けるのはインベントリだけか…?

そして他にも意識を集中させると

周りの人々の頭上に様々なゲージや文字が現れた


これは見る限りHPゲージとかか?じゃあその横にある数字はレベルってことか、たしかに3Lvやらなんやら書いてるから合ってそうだな

んじゃあその上の文字は名前か、うん、今のところこれは良い線いってるナ!

で、ここは…どこだ?MagiFanだよな…?もしかしてなんかのイベントか何かか?でも前よりなんか違う気がする……

もしかして異世界だったりするパターン?

でもMagic of fantasyの世界に似てるからゲームの中?

なんにせよ、意味のわからん場所に飛ばされたってことはわかる。

メニューは開けないし…、ヘルプコマンドも使えなかったし………

でもこのまま戻れないとしたら…相当な大問題だ……戻ることを考えつつ、最悪戻れないことを前提に行動するしかない……


「そう言えば、ちょっと記憶があやふやで…、色々と教えてくれませんか?」


「あ、そうですか!あ、普通に喋ってくださっていいですよ!話でしたらレストランで話しましょう!」


普通?


「あぁ、そうだね」


そういって二人はレストランへと移動した

そのレストランはとても自然味が溢れるものだった、殆どが木で出来ており、所々鮮やかに彩られている、中に入ると視線の上部に『緑の森』という文字が現れた、恐らくこのレストランの名前だとクイナは推測する

その席の一角に座り、ガラスでできたテーブルに手を乗せる

クイナは非日常的な光景を前に自身の高鳴る感情を必死に抑え、さっと話を始める


「では、この世界について教えてくれないか」


これが普通の話し方かな……?


クイナは微笑みながらそうユリスに言うと、ユリスはとても驚いた顔をした


「ん?どうしたのユリス」


驚いているユリスに疑問を抱いたクイナは、ユリスに聞いてみることにした


「い、いやその…初めてご主人様が笑ってる顔を見たので…つい……」


ユリスは頰をそっと赤く染めながら言う


え、そうなの!?どんだけ俺は冷たい男なんだよ…!


「ま、まあそれはそれで置いておこうか…あ、呼び方はクイナで良いよ。じゃあ早速、この世界について教えてくれるかな?」


「わ、わたしはクイナ様より200年以上短く生きているのでクイナ様より知ってはいないですけど……それでもいいというのなら……」


あぁ、様ね……まあいっか……って

200年……!?

それに俺より200年短いということだから…俺のほうが年上か…!?


「あ、そういえば俺とユリスは何百年生きてるんだっけ」


クイナが驚きと衝撃によってとても固くなった笑みで言う


「えーと、クイナ様は確か500年と言っていました。私は300年くらいだったと思います」


へー……

500年だとおおおお!?!?!?

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