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気まずい空気のようです!

少し長いですがゆっくりとお読みくださいまし

「痛っ! 」


すると数秒の間を空けて女の甲高い声が響く

聞いたことのある声だ


この声は…………


クイナは声の聞こえた方向を睨んでいる


「ご、ごめんなさい!もうしませんっ!許してくださいぃ!! 」


そこから出てきたのはユリスだった


「ユリス? 」


「この声は………クイナさん!? 」


〜数分後〜


「さっきの話聞いてた…?」


クイナとリコは通常服に着替え、その場で子犬のように震えながら正座しているユリスに尋ねる


「…え?さっきの話?誰かが喋っているのは聞こえましたけど内容は全然聞こえませんでしたよ………?」


どうやら幸いユリスは聞いていなかったようだった

ふう、とクイナとリコは心の奥で深くため息をした


「で、なぜユリスさんが居るのかな?」

「あ、あのっ…その………ミカさんたちとはぐれちゃって…探していたら声がして……誰かと思って覗こうとしたら…………」

「そうか…………だがあまり一人で行動しちゃダメだよ、ここら辺は人通りも少ないし何かあっても助けはほとんど来ないよ?」


「は、ハイ!…あ、あの…リコさん………?」

「はっ!?あ、ん?なにユリスちゃん?」


中々の錯乱っぷりである


「ずっとボーとしてますけど…大丈夫ですか…?」

「あっ、うんうん大丈夫ダゼー?」

「本当に大丈夫なんですか!?顔も赤いですし、熱とかあるんじゃ………」

「大丈夫大丈夫!うん本当大丈夫!」


やっぱあの後だとだいぶ来るよなぁ………

でも、上手く話もそらせたし……ユリスナイス!


あれから数時間が過ぎ

クイナとリコはユリスをミカ達と合流させ、二人でギルドの装備が保管されている場所へと向かっていた

一歩一歩、一定のテンポで二人は歩いていく、周りはとても賑やかだった。ボスとの戦闘は明日らしいがこの空気からしてそのボスとやらは案外彼らにとっても余裕を持てるほどなのだと推測できる。様々な装備を身につけた人々が道の端で戯れており、小さな店が所々に点在している

二人は何も喋っておらずそれは笑顔に満ちた周囲の眩しい空気にとても不釣り合いな程だ

クイナはこの慣れない重苦しい空気に押し潰されそうになっていた


やっぱりあの後だと…気まずいよな………

何か話題は無いか?なんとかこの空気を変える手立てを――


クイナは歩きながら必死に考える


いや待てよ、よく考えれば話題は山ほどあるんじゃないか?

そうだ!この世界に来てわからない事も沢山だし、この時だからこそ色々教えてもらおう!


「リkーー」


クイナが口を開こうとすると


「ねえ、クイナ。」

「あ、ハイ?」


クイナの言葉は見事に封じられる。そして数秒の間をあけてリコが喋りだした


「あのさ、俺が女って事……他の人には言わないでくれ。ください………」


くださいって、ハハ……


「あ、あー…大丈夫、言わないよ!それにしてもリコがまさか女の子だったなんて。本当に驚いたよ」


それを聞くとリコの表情はほんの少し緩み始めた


「あはは………実はさ。女剣士って、よくからかわれるやすいんだよな。だからミカやアルフレッドにも秘密にしてもらってるんだ」


「そ、そっか……」


ちょっと悪いこと聞いちゃったかも………


二人は静まり返る

そしてまたまたその重苦しい空気をかき消すようにクイナが喋りだした


「それにしても、ギルドって結構硬い感じなんだね」

「まあ、ギルドって言っても組織には変わり無いからな」


そうか。この世界でのギルドはまるで軍隊だなぁ

世界というよりは…国の方が正しいかな?

そう言えば、この国って――


「この国って王様がいないんだっけ…?」

「うん、いないぞ」

「なんでいないんだ?」

「昔は王様がいたらしいんだけど。その王様がけっこう悪い人だったらしくて内乱が起きたんだ。その内乱で王政が崩れて、王様が死んでから国に関わる事の殆どはギルドがやってるらしいぜ」

「変わってるんだなぁ…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


二人はある天幕の前で立ち止まる

入り口に大きく描かれた二つの燃え盛る剣。衛兵が人を入れないように前に立って見張っていた

あのギルド長の言った通りだ

するとリコが衛兵の前に立ちその衛兵に話し掛ける


「BurningSwordギルド長エスラ様から装備を借りるようにと言われてきた」


「サインはあるか?」


リコはエスラからもらった紙切れを取り出し、それを見るとその衛兵はすんなりと中に入れてくれた


おぉぉ………


中はそれほど豪華というわけでもないが、様々な装備が所狭しに置かれていた

余りの装備というだけあってどれも使えそうには見えないが、これらの装備はあくまで予備の物として使われるものが多いらしい。

装備立てに掛けられている装備や箱に畳まれている物、他にも様々な形をした武器があったが、やはりどれも俺のスタイル的には合わないものばかりだった

装備選びに少し時間がかかりそうだ


〜数十分後〜


「本当にそんな装備でいいのか?」


リコが心配そうにこちらを見ている


「大丈夫、動きやすいし、それに重装備で行っても弱いには変わりないしね」


そう笑いながら言った、リコも何度か心配していたが、特に気にしない


装備は軽装、だが軽装というよりは殆どが布、唯一金属で守られているところは心臓を守るための胸当てだけであり、服は耐火と雷耐性に優れるファームリザードの特性を"合成魔法"によって合成させた白のオーバーコートだ

リコによるとこれまでのダンジョン攻略では、5、10、15階層のボス全てが炎系、即ち火属性だったらしい。

つまり、今回の20階層のボスも火属性の可能性が高いというわけだ。とても単純だがこの考えは悪くない

少しそれてしまったな

装備についてだが

この白のコート、とてもカッコイイ。

奥の方で他の装備と一緒に埋もれていたものだが

所々金の刺繍が施されており不自然な程に汚れの一つすらない純白。

一応刺繍は"合成"する際に勝手に付くらしいが、これがまたファンタジックだ。

リコによるとこの世界の装備には、いや、正しくはこの世界ではなくこの"国"だが。

職人の手によって作られた装備と

合成魔法によって作られた【魔装具(フルーフ)】といわれる物

更にはボスモンスターを討伐した際に何処からともなく現れる…つまりボスがドロップした装備、【神聖具(ゲハイムニス)】の3種類があるらしい


その中でも合成魔法によって作られた装備、つまり魔装具(フルーフ)神聖具(ゲハイムニス)の次に特殊であり

魔装具は魔法に対して耐性を持つ。

更に装備した状態で自身の魔力を注ぎ込むとその効果は上昇するらしい

試してみたが、魔力を注ぐと刺繍の部分が綺麗に光ることが分かった。最高である

一応この特性(魔力を注ぐと効果が上昇)は魔装具以外の装備でも同じだが。

それと違う点は、普通の装備に魔力を注ぐより魔装具の方がはるかに性能の差がでるということだ

聞く話によると合成魔法は金属でやると確実に失敗するらしい。それ故魔装具は布製しかないのが特徴。

まあつまり、魔装具は魔法戦にだけ特化しているということだ

更に、一般的には魔力の少ない剣士ではなく魔法使いなどの大量の魔力を保有している者が装備するのが基本だという

俺は一応人前では剣士ということにしているが、細かく言うと"魔"剣士である。

つまり普通の剣士よりも魔力を持っているのだ!

実際これまでの戦いでも魔法を使ってるし、本職の魔法使い様ほどではないがそれなりの魔力を持っているということは理解した


「んじゃあ、やることも済んだし、そろそろ出よっか!」

そう言えば、この小説は今新たに書こうとしている小説のうちの前書きみたいなものなんですよね

簡単に言うとエヴィルドルグ編です


ややこしくなぁい?


クマ「ヤヤコシクナイ、クマーッ」

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