プロローグ
元々はR18の方で投稿していたのですが
よく考えるとそれほどグロくもないしアッチ系でも無かったのでこちらで投稿することにしました
ーーまるで神話を見ているようだった。
『エリスの森・ガルディアナ帝国エヴィルドルグ侵攻軍』
最初は我々が勝つと思っていた…こちらは13万人もの軍勢、皆が勝利を確信していた
ーーだがそれは間違いだった。
「はぁぁ、まだ着かないのかよ…」
隣を歩く兵士が溜息をつきながら疲れた声で言った
「まあそう焦るな、これは戦だ」
「でもなあ、たかが最近できたばっかの小国を潰すためだけにこんなにも兵を送るか普通?」
「我らの国は何事にも徹底している、圧倒的な武力で力の差を見せつけるのは当たり前だろう?それに、その国は次の大戦での重要な役割を果たす中継地点であり未だ不明な点も多い。」
「でもなんか怪しいよな。突如現れた小国、偵察に向かった兵士によるとその国の者は魔法を扱い、そして国王すらいないんだろ?それなのに国の名前だけは知ってるときたもんだ、それに招待状や手紙を送ってももっぱら返事がねえ」
「あぁ、だがこちらには魔導士が2万人もいるんだ、そう簡単には負けないさ」
「それよりなんでこんな森を通るんだよ…噂じゃ獣がいるらしいってのに……」
「だが獣も流石にこの軍勢には喧嘩を売ろうとは思わないだろう」
「もしドラゴンやエイルに遭遇したら最悪だぞ…」
「ここ周辺にそれらの目撃談はない、それに、もしドラゴンが現れたとしても精鋭の騎士隊がいるからきっと大丈夫だ」
「エイルにだけは絶対会いたくねえな…」
「この戦に勝利したらこの国の女は好きにして良いらしいぜ」
「どんな味がするのかな〜ヘヘッ」
「愚か者め…」
「何良い子ぶってんだよ、お前も今の内に捨てとけよ〜」
「くッ………」
「お、もうすぐで森を抜けるらしいぞ」
進軍開始から18日が過ぎた頃、広い森林を抜けると我々は広大な平原に出た
「お!見えてきたぞ!」
一人の兵士が大声で言った
「あれが例の国か」
周りの兵士たちが食い入るように見ていた
とても美しい国、中心に大きくそびえる建造物は、まるでその国の象徴のようだ。
それを取り囲む無数の家、周りは透明な障壁で囲まれていた、まさにそれは攻め落とすには勿体無いほどの美しさだった。
「あんな国を落とすのか…なんか気がひけるな…」
「早速始まりか…」
一気にその場の空気が変わるのを感じた
「騎兵隊は前へ展開せよ!さあ動け!」
「魔導士は詠唱を開始!弓兵展開せよ!完了次第放つ準備を!」
「車兵は装填開始!」
指揮官の声に合わせて訓練通りに全てが動き出す。
この国での一般的な戦術とは
・騎兵隊を先頭に出し、先陣を切って道を作る。
・その後ろの歩兵は敵兵士や残りのとどめを刺す。
・弓兵が横三列に並び、一列目が矢を放つと一列目は三列目の後ろまで後退し、後ろで次弾を装填、その間に二列目が矢を放ち、二列目も同じように後退し装填を始める、そうして数秒の間を空けずに弓兵が矢を放ち敵を上から攻める。
・最後尾に待機している魔導士の魔法と車兵の攻城兵器で国を覆う障壁を破壊、兵士の掃討を行う。
今回は騎兵などが障壁から数十メートルまで近づき、到達までの間に障壁を破壊、もし到達までに破壊できなければ騎兵は一度待機し破壊が完了するまでひたすら待つ。
破壊後一気に侵入し一掃、奴隷として労働力となる捕虜や人質を取りこの国を我が国のものにする。
………全ての兵士が配置についた、未だ謎が多い未知の国、底知れぬ不安と緊張感が兵士達を駆け巡る
すると、前がざわつき始めた
「目の前に何者かが現れました!」
そう指揮官に伝える声が聞こえた、そして指揮官はこう言った
「気にするな!その者は敵だ!討ち滅ぼせ!」
「ですが…嫌な予感がします……」
指揮官はその言葉を無視し、ついに開戦の合図を出した
「進軍せよ!!」
その声と同時に、約二万の魔導士から6階級規模もの魔法が一斉に放たれ、数万台の攻城兵器から大量の火の玉が発射された。
無数に燃え盛る火の雨と数多の魔法が敵の盾(障壁)を突破しようと次々に放たれる
騎兵隊が進軍を始める、馬鎧を纏い、鎧に身を包んだ兵士達を乗せ、戦馬達が次々に走り出す
地面を強く打つ音がここからでも聞き取る事ができた。
騎兵隊の後を歩兵が続く、兵士達の声が戦場に響き渡る。
次の瞬間、これまで生きてきた中で聞いたことも無い程の轟音が兵士達の耳を劈く。
そして、2本の光の槍が我々の真上を、重装備兵が腰を抜かすほどの恐るべき速度で飛んでいった。
そしてもう1本の光の槍が我々の元へと飛んできた。
ーー光の槍が地面に突き刺さったその時、眩い光と共に、大地が崩壊した。
初めまして、「クイックマさん」(通称クイクマ)です。
投稿間隔は決まっていませんがよろしくです