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022

勢いよく吸い込まれて真っ暗な狭いトンネルの様な筒の中を通過していた。ところどころに小さな開き窓がある。その隙間から光が漏れていたので形で窓だと認識できた。


何個目かの窓にさしかかると、それは突然開いてまた美和子を吸い込んだ。

勢いがついたまま宙へ放り出されて美和子は成す術なく地面に思い切り落ちた。地面は少し柔らかくできていて低反発クッションの様な感触だった。それでも少々高い場所から落ちれば痛い。


「あたたたたた、腰打ったぁ」


美和子は腰をさすりながら立ちあがると周りの風景と自分の着ている服に目が留まった。


「ん?」


袖は白っぽく、胸元から始まる薄いピンク。そこからスカート裾に向かって濃いピンクが広がるきれいなグラデーションのドレス。パニエも入っているからふんわりとした形を保っている。


「わ!」


今まで履いたことのない靴の感覚に自分は今何を履いているのかと思い、右足をスカートの裾から覗かせると・足元にはシルバーのラメでキラキラと光るローヒールのパンプス。


「んん?」


胸元には大きなダイヤのネックレス。


美和子は目を丸くして自分の着ているドレスに驚いていると、「姫」と後ろから声をかけられた。


振り返ると超絶イケメンの男の人が「大丈夫でしょうか?どうかされましたか?もしかして転ばれたのではないですか?髪に草が・・・」と美和子の髪についた野原の草のかけらを取った。


「他にお怪我はありませんか?痛む場所は・・・念のため医者に診せましょう。後になって痛み出したら大変です」


そう言って美和子を軽々と持ち上げた。


初めてされるお姫様抱っこに美和子の心は大きく弾んだ。 


どきどきしている美和子をよそにその男は、綺麗な花の咲いた大きなアーチをくぐってガーデンへ入って行った。


「姫、医者に診せた後はちゃんとやるべきことをしてくださいね。社交ダンスのレッスンを抜けてしまっては明日の舞踏会に間に合いませんよ、しっかりと覚えないと婚約者様に気に入ってもらえませんよ?」

どうやらこの男は美和子の執事のようだ。


美和子は漫画で見た執事が目の前に、それもお姫様抱っこまでされている事に、興奮しながら近くにある執事の服や男の顔をマジマジと見てしまった。


あからさまな行為はさすがにその執事も気がつくもので、美和子のほうを見ては少し気まずそうに、「姫、私の顔に何かついていますか?」と、問いかけた。


美和子はその言葉に顔を赤らめて執事の顔をあるほうとは反対へ顔を向けた。


なんて答えたらいいか分からない事もあり、しばらく黙ったまま美和子はその執事に身を任せた。


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