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015

歩き出そうとしていた時に起こったので体勢が不安定になる。


 「おっととと・・・あれ?なんでここ?」


 辺りを見渡すと、賑やかな音と悲鳴が入り混じって聞こえてくる。目の前には絶叫コースターが人を乗せてこれでもかという程に回転している。どうやらここは遊園のようだ。


ベンチの前に立っていた秀人は一瞬でこんな場所に移動した事に不思議に思って、考えるとハッと気がついた。


 「そうだ!これって夢だもんね。よくあるよね、突然環境が変わる夢って。そっかぁ~、こんな風に場所が変わるんだ~、なるほど」


 (でもよかったな、あのまま仕事とか僕じゃできないもん)


仕事というものを経験した事のない秀人はやらなくて済んだ事への安堵をしていると視界にだんだん自分の方へ近づいてきている女の人がいる事に気がついた。


(あっ)


「買ってきたよー!」


 その女の人は歩いて来て缶コーヒーを差し出す。その女性は先ほど会社まで一緒にいた真央だった。差し出されたものに素直に手を出して缶コーヒーを受け取る、どうやらデート中の夢に来たらしい。


 「あ、ありがとう」


 (なんか変に緊張しちゃうな。何をどうしたらいいとか全然わかんないし。僕のせいで振られる事になったりしたら・・・もう1人の僕、ごめんね・・・てゆうか、コーヒーあまり好きじゃないんだよな・・・どうしようか・・・)


 手にしたコーヒー間のラベルには無糖の文字。


 甘くない事がすぐに分かる。


 「いいえ、って、お礼言うのは私!これ、ありがとね」


  コーンポタージュの缶を両手で包んで幸せそうに目の前で笑う真央を見て秀人は頬を赤らめた。

 「ここに座ろう?」そう言って秀人の隣に座り真央は秀人の顔を見た。


 「秀ちゃん?顔赤いよ?」


 自分の飲み物を開けながら真央は言う。


 (こんなかわいい彼女がいるんだなぁ)と思ったら顔が赤くなってしまった。


 秀人は真央を直視できずに、空を見て「だ、大丈夫大丈夫。かわいいなって思っただけだから」と照れながら思った事を素直に言う。


 真央の反応がないので(失敗したかな)と真央を見たら耳まで赤くなって照れている様だった。

 

 「も~秀ちゃんてばずる過ぎ!そんな風に言われるとこっちが照れるでしょ」


 手で自分の顔をパタパタ仰ぐような仕草をする彼女を見るとますます可愛いなと思うようになって自然を笑顔がこぼれた。


 楽しい時間はあっと言う間に過ぎて辺りはもう暗い。現実世界ではこんな時間まで外にいる事はまずない。自分の家から2駅離れた真央の家。


そのまま帰ろうかと電車から降りようとしたら、真央に「送ってくれないの?」と言われた。


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