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012

改札口から出ると、人々は西口・東口へと分かれていく。各々の会社へと行くのであろう。


ここから先が問題で、どちらの方向へ行けば会社に辿り着けるのであろうか。


秀人が頭を悩ませているとトンッと背中を押された、また人がぶつかってきたと思い、謝って道を開けようと思い振り返ると、自分より20センチくらい背が低く、ぱっちり二重のかわいらしい女性がにこっと笑いかけた。


笑いかけられたものだから秀人は苦笑いで返す。


するとその女性は「おはよ、秀ちゃん」とあいさつしてきた。


自分の名前を知っている。となると、この女性は自分と知り合いだとすぐに思った。秀人は戸惑いながらも、「お、おはよ」とあいさつを返す。


秀人は動揺して目を泳がせてしまう。


なかなか自分と目を合わせない秀人に彼女はクスッと笑った。


「なになに~?なんかいつもと感じ違うんじゃない?何かあった?」


俯き加減の秀人の顔を伺うようにセミロングの少し茶色に染まった髪が彼女の動きに合わせて華麗に揺れる。


「いや、別に何もないけど・・・」


覗かれて合わした目線を慌てて逸らして顔を横に向ける。きっと彼女は不快に思うだろうが、秀人はこれが精一杯だった。


(どうしよう・・・この人誰?・・・)


秀人は不安が大きくなってきて家に帰ろうかという思いに駆られた。


顔を横に向けたまま彼女の顔を見る事が出来ずにいたら、彼女が秀人の顔を両手で挟んでグイッと自分のほうに向けた。


「絶対おかしい、何か隠してるでしょ、私に言えないこと?」


無理やり目線を合わせられて、秀人はどうしたらいいかわからずにいたら「朝から駅構内でイチャついてんじゃねぇよったくさ~、オレなんか昨日の誕生日会社で残業してて寝不足だっつーのにっ!いいよな~職場恋愛!受付の井上さん、オレの恋心に気づいてくんないかなぁ~!」秀人の肩に手をかけてきて自由奔放に話しかけられた。


瞬時にこの人も自分の知り合いだと思ったが、どうすればいいのか立ち振る舞いが分からず、言われるがままであった。


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