父と子
「パパ、リンゴはどこから来たの?」
三歳の子供が父に素朴な疑問を投げかけた。
「パパはその答えを知っている。明日リンゴの家に連れてってあげるね」
父はすぐには答えを教えてあげなかった。
子はわくわくして、眠りについた。
次の日。
「うわ、リンゴはあんなに高いところにあるのだね」
「そうだよ。『リンゴ』は『木』の上にあるんだ」
その時、丁度一つのリンゴが木から落ちた。
「落ちた!」
びっくりした子供は落ちたリンゴを見つめた。
「パパ、どうしてリンゴが落ちたの?」
子供が素朴な疑問を投げかけた。
「さあ、それはパパにもわからない」
父はすぐには答えを教えてあげなかった。
「でも、わかる人はどこかにいる。その人に聞けば、答えを教えてくれる。色んな人に聞いて、その人を見つけて、パパにも答えを教えてくれる?」
「うん。探してくるね」
子供はわくわくして、色んな人に聞きまわった。
何人の人に聞いてから、子供は父の傍に戻ってきた。
「パパ、わかった!リンゴが木から落ちるのは、『万有引力の法則』だって!」
「それはなんだ?」
「全てのものに引力があって、リンゴは地球に引き寄せられて、地面に落ちただそうだ」
「なるほど。では、どうして全てのものに引力があるんだ?」
「それは...」
子供は答えられなかった。
「パパ、どうして全てのものに引力があるのだ?」
子供が素朴な疑問を投げかけた。
「さあ、それはパパにもわからない」
父はすぐには答えを教えてあげなかった。
「そして、今回は答えをわかる人がいるかどうかもわからない」
————君はその人を見つけてくれるのか。
それとも、君はその人になってくれるのか。————