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高貴なドロドロ?  作者: 花ゆき
本編
7/13

自覚するドロドロ?

本日3回目の投稿です

「春日さんが春日くんでしたの!」

「何を今更」


 翌日友人をひきとめて、ここ数日について話さずにはいられませんでした。しかし、話していけばいくほどに、彼女はあきれた顔を隠そうとしませんでした。


「キラキラしてるから、ヒロインと思ってた?」

「そうですの」

「麗華ちゃんさ、それって一目惚れだったんじゃない?」

「え?」

「キラキラして見えるんでしょう? 実は春日くんのことで、頭がいっぱいになってるとか?」

「うっ」


 まったくの図星ですわ。恐ろしい子……!


「普通は恋かなって思うだろうに。どうして、ヒロインと解釈しちゃったんだか」




 わたくしには春日くんがキラキラとして見えます。それが恋なのか、確かめないといけませんわ。そう思ってますのに、いつもどおりにいかなくて。春日くんと視線が合って、思わず目をそらしてしまいますの。強い視線を感じます。どうか見ないでくださいな。わたくしは、自分が分からないのですから。それでも、春日くんは変わらずに話しかけてきましたわ。彼の視線にさらされると、わたくしの心が見透かされるようで、落ち着きません。


「今日は昼ドラどうする?」

「その、今日はごめんなさい」

「どうしたの? 具合悪い?」


 触れた手に、過敏に反応して手を払ってしまいました。彼の感覚、温もりが肌に焼きついて、じわりと胸の奥に染みこんでいくようです。


「春日くん……、その、ごめんなさい」


 なんてことですの!? 意識しすぎて、昼ドラごっこができなくなってしまったじゃありませんの! けれども、胸の動悸が彼を特別だと証明していました。これは、認めなければいけませんわね。わたくしはどうやら、春日くんをお慕いしているようです。




 実は、クラスメイト達は昼ドラごっこならぬ伊集院劇場を楽しみにしていた。ヒロインに無理やりされた春日くん(ただし男)と、姑になりきった伊集院さんの演技は周囲の目を引く。その上、春日くんはこうすればもっと昼ドラらしくなるんじゃないかなと、キラキラしい笑顔で伊集院さんの手を握ったりしているものだから目が離せない。二人の進展はあるのかと見守っている者さえいる。『春日くんを応援する会』が主にそれだ。いつ春日“くん”と気づくのか、賭けも秘密裏に行われていた。そんな面々だったので、伊集院劇場休演のお知らせにざわつく。しかしとある者は覚えていた。伊集院さんが春日くんを春日“くん”と呼んだ事実に。その言葉でようやくバレたのかと、周囲は生暖かい視線になった。

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