そろそろ
初めての投稿作品です。
また、思いっきり自己満足の小説です。
が、読んでいただけるとありがたいです。
「いい加減暇だ。いくら俺でも限度があるぜ。」
カマキリはそんなことをつぶやいてた。
「確かにここは三食昼寝つきだ。だけど狭いんだよなあ。」
カマキリは虫かごの中にいた。
縦横20cm、高さ15cm程度の小さな虫かご。
俺としたことが人間に捕まるなんてな。
バッタを捕まえるのに夢中になってたのがいけなかった…。
いい加減退屈だし、そろそろ抜け出すか。
「さーて、カマにエサやんないとな~」
お、人間様のお出ましだ。あと、その安易なネーミングは辞めたほうが良いと思うぜ?
虫かごの前に小学校3年生ぐらいの少年が現れた。
エサをあげようと少年は虫かごのフタを開ける。
「ほら、とんぼだよ~」
ぽとり、と少年はトンボを虫かごの中に入れた。
まーたトンボか。人間は毎日同じもの食っても飽きないのか?
「うぅ、僕食べられるのか……。」
トンボがつぶやいた。
「安心しろ。食べねえよ。」
「え…?」
「俺はカマキリだしさあ、飛ぶのは苦手なんだ。けど跳ぶことなら俺だってできる。まあ見とけって。」
少年、お前がフタを開けっ放しにしたことを後悔させてやるぜ。
「よっ。」
カマキリは開いているフタの真下に来ると、開いている部分に向かってジャンプした。
カマキリは虫かごの外に出られた。
「と。」
そして虫かごの真ん中に着地した。
……あれ?
「危ない危ない、逃げられるところだった。」
少年はフタを閉じた。
「真上に跳んだらそのまま落ちてくるに決まってんじゃん。で、僕のことは食べないんだよね。」
「……。」
「さすがカマ、いい食いっぷり。」
少年は満足げに虫かごから離れていく。
「すまない、名も知らぬトンボよ。」
虫かごにトンボの姿は無かった。
ふむ、どうやって抜け出すかな。
わからない所、誤字脱字があったらすみません。