【第九報】王都の謁見
【速報】王都の王宮に招かれた一行。権力者たちの前で、掲示板様の力が問われる。
王都の広場でのざわめきが収まらぬまま、一行は王宮へと案内された。白い大理石の階段を登り、巨大な扉が開かれると、そこには豪奢な広間が広がっていた。天井には黄金の装飾、壁には歴代王の肖像画。村の素朴な広場とは比べものにならない威容だった。
リオは息を呑み、足を止めた。 「……ここが王宮……」 その声は震えていたが、瞳には確かな決意が宿っていた。
玉座に座る王は静かに一行を見下ろした。 「村の者よ、そして……噂の掲示板様の加護を受けた者たちよ」
その声は低く、広間に響き渡った。周囲には貴族や役人が並び、冷たい視線を一行に注いでいる。
薬師エルダは小さく息を吐いた。 「ここでは、奇跡も権力の道具にされる……」
王は続けた。 「我が国は今、外敵の脅威にさらされている。村を救ったというその力……本当に神の加護なのか、あるいは悪魔の呪いなのか。王都の未来を左右するものならば、我らが見極めねばならぬ」
その言葉に広間がざわめいた。 「神か、悪魔か……」 「村では奇跡を起こしたらしい」 「だが、代償があるのではないか」
群衆の声は熱を帯び、俺の存在を論じ始めた。
リオは一歩前に出て、声を張り上げた。 「掲示板様は俺たちを守ってくれた! 母さんを救い、村を救った! その力は人を助けるためのものだ!」
その純粋な言葉に、広間の空気が一瞬揺れた。だが貴族の一人が冷笑を浮かべる。 「子供の言葉など信用できるか。力は常に代償を伴う。掲示板様の力も例外ではあるまい」
俺は依頼書を通じて彼らを見守りながら、胸の奥で問い続けた。 ――俺は斎藤悠真だ。人間としての心を持ち、弱さも恐れも抱えている。 だが掲示板様としての力は、人々を救い、同時に世界を歪める。
王宮の視線は村の熱狂とは違う。そこには欲望と疑念、そして権力の思惑が渦巻いていた。
「神か、悪魔か」――その問いは、ついに王の前で突きつけられた。
ここまで読んでくださりありがとうございます。 掲示板様=斎藤悠真は、王宮で権力者たちの前に立たされました。次回は「試練の宣告」で、王から与えられる試練が物語を大きく動かす予定です。
――次回更新は 毎週日曜の昼14時。 休日のひとときに、掲示板様の続報をお楽しみください。




