【第八報】王都の広場
【速報】王都の広場に到着した一行。権力者たちの視線が掲示板様の力に注がれる。
王都の門をくぐった瞬間、村人たちは息を呑んだ。石畳の道は広く、両脇には高い建物が並び、商人たちの声が絶え間なく響いていた。村の素朴な広場とはまるで別世界。
リオは目を輝かせながらも、足取りはぎこちない。 「こんなに人がいるなんて……」 母を救った奇跡を信じる彼の心にも、王都の喧騒は圧倒的だった。
エルダは冷静に周囲を見渡した。 「人の数だけ欲望がある。ここでは奇跡も取引の道具になる」 その言葉は鋭く、俺の胸に重く響いた。
広場の中央には王都の役人たちが待ち構えていた。豪奢な衣をまとい、冷たい目で一行を見下ろす。
「これが村の使者か。そして……噂の掲示板様の加護を受けた者たちか」
その声には好奇心と警戒が混じっていた。 彼らは俺の力を知りたがっている。だが、それは村を守るためではなく、王都の権力を強めるためだ。
リオは勇気を振り絞り、役人に向かって言った。 「掲示板様は俺たちを守ってくれる! 村だけじゃない、王都だって守れるはずだ!」
その純粋な言葉に、広場の人々がざわめいた。 「本当に神の力なのか?」 「いや、悪魔の力かもしれん」
群衆の声は熱を帯び、俺の存在を神か悪魔かと論じ始めた。
俺は依頼書を通じて彼らを見守りながら、胸の奥で問い続けた。 ――俺は斎藤悠真だ。人間としての心を持ち、弱さも恐れも抱えている。 だが掲示板様としての力は、人々を救い、同時に世界を歪める。
王都の広場に集まる視線は、村の熱狂とは違う。そこには欲望と疑念が渦巻いていた。
ここまで読んでくださりありがとうございます。 掲示板様=斎藤悠真は、王都の広場で初めて権力者たちの視線を浴びました。次回は「王都の謁見」で、王宮に招かれ、さらに大きな試練に直面する場面を描く予定です。




