【第六報】王都への使者護衛
【お知らせ】
先週はインフルエンザで更新をお休みしました。
お待たせしました、掲示板様の物語の続きをお届けします!
第四報からの「2話連続更新」も継続していきます。
冬の冷たい風が村を吹き抜ける朝、広場に新たな依頼が貼られた。 「王都への使者護衛」――その文字は、村人たちの心を大きく揺さぶった。
「王都だって……!」 「掲示板様の加護があれば、きっと成功する!」
歓声と不安が入り混じる。村人たちは誇らしげに胸を張りながらも、王都という未知の存在に怯えていた。
村長ガルドは声を張り上げた。 「これは村の誇りだ! 掲示板様の力を王都に示す時が来た!」
だが薬師エルダは眉をひそめる。 「王都は村とは違う。権力と欲望が渦巻く場所……掲示板様の力が利用される危険もある」
彼女の言葉は冷静で、俺の胸に重く響いた。
少年リオは依頼書を見つめ、拳を握りしめた。 「俺も行く! 掲示板様の力を信じて、王都まで守り抜く!」
その瞳には恐れよりも希望が宿っていた。母を救った奇跡を信じ、村を超えて世界を守ろうとする純粋な決意。
俺はその姿に心を揺さぶられた。前世では誰にも必要とされなかった俺が、今は少年に信じられている。
だが同時に、恐怖も膨らんでいく。 王都は村とは違う。人々の欲望、権力の思惑、そして俺の力への執着。
――俺は斎藤悠真だ。人間としての心を持ち、弱さも恐れも抱えている。 だが掲示板様としての力は、人々を救い、同時に世界を歪める。
「神か、悪魔か」――その問いが再び胸に突き刺さる。
数日後、村人たちに見送られながら、使者護衛の一行は王都へと旅立った。 リオは背に小さな荷を背負い、カインは剣を握りしめ、エルダは薬草を抱えていた。
そして広場に残された俺――掲示板様は、依頼書の文字を強化しながら静かに祈った。
「必ず守り抜け」
紙が淡く光り、一行の背に温かな輝きが宿る。
俺はただ見守るしかない。だが、その光が彼らを導くことを願わずにはいられなかった。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
掲示板様=斎藤悠真は、村を超えて王都との接点へと歩みを進めます。
次回は「王都の門前」で、村人たちが初めて大都市の現実に直面する場面を描く予定です。




