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Sterbephase(詩記)  作者: 敬愛


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快楽原則

序文


不快を避けて快を求めようとする傾向の原理。

イドはこの原則に従っている為幼児はこれによって行動するが

成長すると自我が育ち現実原則に従って行動する。


詩記


量子宇宙に生死を問うても産まれなければ楽だったと思うだけ

無我夢中で居場所を探す ここは狭いな あるだけましだけど


心根でやるせなさや無力感を感じていてそれを消し去る生き方を探し求めている

でも多分無い線だね 純愛とか指切りとか いまさらなんだ 大人になれば

誰も育てない赤子 無責任に作ったのだから世界中から顰蹙を買うような神の采配が振るわれる 


私達は酸素の無駄でしかない どっちにしろ自分だけが可愛いゴミ屑共の行進だ 大人になるたび足りないとか嘆いたり 贅沢病 ドーパミン中毒 変わらないと死ねないね 

口だけは「達者でな」みたいな事言う癖に群れたがる


誰だって悟れないだろう 惨たらしい事件ばかり 

ならば快楽を得る為だけに遊戯に興じる一派には死ぬまで無視を貫いて

分かり合える友と共に瞬くだけで色彩が変わる魔法炉で働く 


人類の未来の担い手と繋がっている実感だけで至上の幸福が得られる その為に何かを捨てるしかないけど怖く無いよ 全ては自明の理


接続詩


快を求めるたび

心は原初の形に戻ろうとする

まだ名前も持たない衝動が

血流の奥でかすかに蠢きはじめる


理性は 静かに縫い目を整えて

暴走する欲望の端を縛ろうとするが

糸はすぐに切れる

幼い叫びは 掴んだ手からこぼれ落ちる


不快を避けるために選んだ道は

なぜかいつも遠回りで

その先には また別の苦痛が横たわっている

私たちはそれでも

痛みよりも甘さのある方向へ歩いてしまう


甘美な幻想は 真実よりも早く光る

追えば崩れ 掴めば溶ける

それでも求めてしまうのは

心の奥底で泣いているイドの言葉が

未だに消えていないからだ


自我は知っている

世界は望み通りに動かないと

それでも私の内側では

今日も幼い原則が

そっと手を伸ばしてくる


快楽は逃走のための避難所であり

生存のための最後の火種でもある

私はその火を胸に抱え

現実と衝動の狭間で

まだ人間を続けている


結文


快楽を得たいという欲望は抑えられない。

遍く全てを賛美出来ない我らの弱さは遠い昔から。

それでも海の満ち引きみたいな自然な心は人が人である証だ。

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