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共闘 

背中を預けられる事の尊さを

私達はいつから忘れてしまったのだろうか

利害に塗れた社会の中で

互いの眼差しを疑うばかりの日々に

それでも確かに残っているものがある

たとえば 誰かが倒れそうになった瞬間に

思わず差し伸べる手の震え

その温度は欺瞞では測れない


孤独に慣れすぎた獣は

牙を研ぐばかりで 心を失う

だが 共闘はちがう

孤独の檻を打ち破るために

刃を突き立てるのではなく

重ねた声で叫ぶのだ

お前はひとりじゃないと


時に私達は誤解し 裏切り すれ違う

信じたはずの言葉に傷つき

仲間の存在を憎悪すらする

だがそれでも 決して切り離せない糸が

どこかで私達を繋ぎ止めている

それは絆という安っぽい言葉では足りない

共闘は もっと泥臭く 生々しい

敗北の痛みを分け合い

勝利の歓喜を血まみれで抱きしめる

そんな関係だ


私は一人で立っていると思っていた

だが振り返れば

幾つもの声が背を押していた

見えない影が共に歩んでいた

その事に気づいた時

初めて剣は剣として輝きを放ち

拳は拳として未来を叩き割る力を得た


共闘とは

ただの戦術ではなく

生き残るための約束でもなく

もっと深い所で

私達を人間たらしめる証なのだ


一人で生まれ 一人で死ぬ存在が

それでも一瞬の間

肩を並べて呼吸を合わせる

その軌跡こそが 戦いの意味を超えて

歴史を織り成していく


だから私は今日も立ち上がる

声を上げる

君の叫びと私の叫びを重ねるために

私の傷を君の傷と響かせるために

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