アイリーンがやってきた経緯
「さて、まずは自己紹介からね。私は名前はアイリーン・サランドよ。サランド王国の第一王女よ」
「え〜と、それは何かの設定か?」
「設定?何を言っているの?」
彼女アイリーンは、本気で言っているらしく何らかのアニメのキャラをロールしているのかと思っていたがどうやら違うみたいだった。
「少し質問いいか?」
「えぇ、どうぞ」
「住んでいた場所は?」
「サランド王国よ」
「他に主要な国はあるか?」
「西に帝国が、東に聖国、北にサランド王国、南に獣国この四つが主な国ね」
「星の名前は?」
「アルトリウムよ」
「その〜魔法とかってあるのか?」
「なに当たり前の事聞いてるの?あるに決まってるでしょ」
冗談やからかいとかではなく本気で言っているんだと分かりどうしたものかと頭を抱えた。
「ねぇ、さっきから変な質問ばっかりだけど」
「いや、こっちとしては返ってきた質問の答えに驚きを隠せないんだけど」
「どうして?アルトリウムでは、常識じゃない。・・・ちょっと待って。今度は私が質問するわ」
「いいぞ」
「ここはなんて国?」
「日本」
「その、魔法とかって」
「空想上になら、」
「暦は?」
「令和」
「・・・嘘でしょ」
どうやらアイリーンも、今がどういう状況か気づいたみたいだった。
「最後にこの星の名前は?」
「地球」
「まさかここって、私がいた世界じゃない?」
「どうやらそうみたいだな」
認識が追いついていないのか、アイリーンは固まった。
30分後、ひとまず心の中で整理をつけたのか復活した。
「まさか、異世界に飛ばされるなんて予想外よ」
「俺も、知らない世界から飛んできてしかも裸なんて驚きだぞ」
「ちょっ!蒸し返さないでよ!まさか、その場にあった服装でって条件がこんな形で裏目に出るなんて」
「そもそも、どうしてそんな事をしたんだ?」
「逃げようとしたのよ。故郷から」
「まさか・・・犯罪を」
「断じてしてない!!!」
ふざけて言ってみたら、大きな怒声で返ってきた。
「あっごめんなさい」
すぐに、アイリーンが謝るがどう考えても俺の方が悪かった。
「いや、俺が悪かった。流石に、デリカシーが無かったよ」
「こっちも、つい感情的に言っちゃったからお互い様ね」
アイリーンの大人な対応に救われ、話の続きを聞いた。
「それで、どうして故郷から逃げる事になったんだ?」
「それが、分からないの昨日は何もおかしくなかったのに今朝起きたら急に罪状を告げられ拘束されそうになったのよ」
「答えたくなかったらいいんだけど、その罪状ってのは?」
「私には、一つ下の妹がいたんだけどその妹に毒を持って殺そうとした罪があるって言われたわ」
「ちなみに、その妹との関係は?」
「母が違って、私の母が正妻妹が側室の子なの。ぶっちゃけ仲は良くない」
「それはまぁ、なんというか。その妹が怪しい気がするんだが?」
「やっぱりそうよね。私も妹が怪しいって言ったのに誰も聞く耳を持ってくれなかったの。強引な手段で死刑にされそうだった。だから、なんとか牢屋から抜け出して王家の宝の転移玉でできるだけ遠くにって願ったの、その時に服装がドレスだったから目立つといけないと思ってその場に相応しい格好でって一緒に願って気を失って目を開けたら貴方がいたのよ」
「なるほどね。経緯は分かったそれでその転移玉?だっけ?
それは、また使えるのか?」
「さっき確認したけどこの通りよ」
アイリーンが見せてきたのは手の平に乗るぐらいの大きさの球体が2つに割れているものだった
「これは、直せるのか?」
「無理よ。全く構造が分からないわ」
「それじゃあ、帰れないってことか?」
「そういう事になります」
俺は、来たなら帰れると安易に考えていた為今後どうするか必死に考え始めた
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