第一王女 アイリーン・サランド
前回のあらすじ
お風呂が光り目が潰され、視力が回復してお風呂を見るとそこには女の子が!
「これは、マズい・・」
俺は今の状況を客観的に見て、このままここにいたらまずいと本能が訴えていた。しかし、神は俺に試練を与えた。
「んんんっ」
女の子が、目を覚ましてしまった。
「ここは?」
どうやら、現在の状況が分かっておらずキョロキョロした後、俺と目が合った。そして、俺が裸なのを見て自分も何も纏っていないのを認識しみるみるうちに顔が赤くなり
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
お互い大きな声で叫び、女の子は近くに浮いていた桶を掴みこっちに投げてきた。
「うわぁ!」
「避けるな!今のは当たるところだろ!」
「木の桶なんて当たったら最悪死ぬわ!」
「いいから!とりあえず、下を隠して後ろ向いて!」
「分かった!分かったからその手に持ってる桶を置け!」
「そんなシャレ何も面白くないわよ!」
「シャレじゃねぇよ!」
俺は、言い返しながら後ろを向き見えないよう隠れた。
「なんなんだ一体」
「と、とりあえずいいわよ」
俺は恐る恐る後ろを頭だけで後ろを見ると、体を完全にお湯に隠して頭だけを出している状態だった。
「体隠して、頭隠さず」
俺がぱっと見の印象をボソっと言うと
「ねぇ、今バカにしなかった?」
聞こえていたのか直感なのか、女の子はギロっと睨んできた。
「何も言ってないよ!」
「そう、ならいいわ。それで、ここは何処なのかしら?」
「ここは、〇〇都△△区にある銭湯だよ」
「戦闘!裸でいたらマズイじゃない!」
「違う!ありがちな聞き間違いをするな!戦闘じゃなくて銭湯!お風呂屋さんだよ!」
「えっ?まっ紛らわしい言い方をしないで!」
「俺からしたら、戦闘でそんなに反応する方が驚きだわ!」
「うっうるさい!誰にでも間違いはあるでしょ!」
「は〜、それよりもとりあえずここから出よう。あんたもずっとお風呂に入っていたらのぼせちまいそうだしな」
そう言って、出ようとする
「待って!」
何故か、後ろから引き止める声が
「あの、その、え〜と」
さっきまでの勢いはなんだったんだっていうぐらいのしおらしい態度に不思議に思っていると意を決したのかしっかりと目を見て
「服を貸してください!」
何を言われるのかと、構えていたら拍子抜けするような頼み事にポカーンとしてしまった。
「しょうがないでしょ!いきなり何も持たずにこっちに来ちゃったんだから!しかも、服まで無くなってるし」
途中言っていることは、分からなかったがよくよく考えると服がないのは当然だった。なにせ、裸でいきなり現れたのだから服なんて持っているわけないのだ
「あ〜分かったよ。それじゃあ、置いておくからそれを着てくれ。ちなみに俺の服しかないからそこは我慢してくれよ」
「そこまで、我儘言う気はないわ、でも、ありがとう」
最後に小さくお礼を言った事が聞こえ、悪い奴ではなそうだなと思った。
それから、彼女が着替え終わるのを居間で待っていながら先程の不思議な現象についてネットで調べてみたが何処にも情報はなかった。
諦めて、携帯を閉じた時
「あなた、中々いい所に住んでいるのね」
後ろから声が聞こえた。振り返って改めて見ると物凄い美人である事が分かった。街の中を歩けば、10人中10人が振り返るほどの美人だった。金髪碧眼でスタイルも良くまるで、漫画の中から出てきた様な整い方だった。じっと見すぎていたのか彼女は顔を赤らめ
「そんなに、注視されると恥ずかしいのだけど」
「わっ悪い」
流石に見すぎたと思いすぐに謝った。
「別にいいわよ」
彼女はそう言って、俺の対面に座った
「さて、まずは自己紹介からね。私は名前はアイリーン・サランドよ。サランド王国の第一王女よ」
このアイリーンとの出会いが、俺の人生を大きく変える事になるなんてこの時は夢にも思っていなかった。
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