転生するとしたら…
シリーズになるかは未定
転生には二種類ある。死んで転生か、もしくは生きたまま転生か。その選択肢は自分では選べない。そんなことは分かっている。分かっているが…
転生したい!
望んで転生できるものなんていない。願望は自分の中で増え続ける。いつ、どこで、どのようにして、転生するのか。そんなことを思いながら日常を楽しんでいく物語。
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朝。目が覚め鏡を見る。鏡にはいつもの自分の顔が映る。
(今日も転生していない。)
転生ものは基本的に顔が変わるものだと思う。毎朝鏡を欠かさず見るのは転生願望がある者にとっては必須だろう。そんな朝のルーティーンを終わらせて学校に向かう。
「行ってきます。」
そう言い、一人暮らしの部屋から出た。眩しい太陽が照りつける中、自分は行く道中でも転生について考えていた。いつ、どのタイミングで来るのか。人数は関係しているのか。いきなり足元に魔法陣が出てくるのではないか。不謹慎ではあるが、トラックに轢かれそうになったりとか。しかしその思考時間は短い。なぜなら彼と学校の距離は徒歩にして5分、トラックが通る気配がない田舎道。転生なんて夢のまた夢だ。そんなことを思っていたら学校に着いた。
「今日も転生無しか。」
そう言いがっかりしながら教室に入った。