女神様に会っちゃった
そんなわけで自分の常識がこっちの世界ではまったく通用しない事を思い知らされた所でいざ教会内に足を踏み入れる事にした
「グリモアールさん入口は何処ですかね?」
「どちら側からでも入れますが?」
うん、グリモアールさんと会話が噛み合わないぞ
三から四メートルはあるだろう大きな扉を俺一人で開けろって事ですか?するとグリモアールさんが何かを察したのか
「大きな扉の左右下側に人が出入りする為の扉がありますのでそこから中へ入れます」
「あっそうなんだ、ありがとうグリモアールさん」
グリモアールさんの言う通り大きな扉の左右下側にリング状の取手が付いた普通の大きさの扉があったのでそこからいよいよ教会の中へ入った
中には誰もおらず真正面に巨大な女神像が祀られていた女神像に向かって歩いて行くと静かな教会内にカッカッと足音だけが響き渡った
女神像の前まで来た所で突然グリモアールさんが喋りだした
「でわそちらの女神像の前に私を置いてもらえますか?」
グリモアールさんに言われるがままに女神像の台座部分にグリモアールさん(タブレット)を置くとグリモアールさんが
「それでは通信を開始します」
ん?通信って?
するとグリモアールさん(タブレット)の画面が切り替わりザザザっとテレビの砂嵐のようになったかとおもうと次の瞬間画面に金髪の美女が映し出された
「えっ?何これ?」
そう呟いた時だった画面の中の美女が口を開いた
「お初にお目にかかります、私は女神アニスと申します」
余りに突然の事で一瞬フリーズしてしまったがその時草原での出来事を思い出した
あの時も突然主神がグリモアールさんを通じてテレビショッピングはじめてたっけって事はグリモアールさんってばこの世界の神様達と通信出来るのか?
「あの〜?大丈夫ですか?」
女神様からの問いかけでハッと我に返った俺はとっさに跪くと
「申し訳ございません、大丈夫です」
「挨拶が遅くなり申し訳ございません私は来栖瀬翔と申します」
思いつく限りこれが俺の知る最上級の挨拶の言葉だが大丈夫だろうか?
「そんなにかしこまらないで下さい、話は主神様から伺っておりますので」
「あっはい、ありがとうございます」
しかし主神と違い女神様は話し方や佇まいがまさに神様って感じだな心なしか後光が差して見える気がするそんな事を考えていると女神様が
「わざわざ異なる世界から来て頂いたのですから私からも祝福とプレゼントを差し上げますね」
女神様がそう言うと突然俺の身体がうっすらと光を帯びた状態になる
「プレゼントはグリモアールさんにお預けしましたので後で確認して下さいね」
「はい、ありがとうございます女神アニス様」
「それでは私はそろそろ失礼します、これから頑張って下さいね」
「はい、本当にありがとうございました」
「ではまたいつの日かお会いしましょう」
そう言うとグリモアールの画面がブラックアウトしたかと思うとふたたびいつもの画面にもどったするといつものグリモアールさんの声で
「通信を終了しました」
「女神様からの贈り物を確認されますか?」
そう言えば女神様がプレゼントをグリモアールさんに預けとくって言ってたな
「うん、一応確認しとくかな」
「かしこまりました、女神様からの贈り物を表示します」
グリモアールさんの画面に表示されたプレゼントを確認してみると
神器アニスの盾 神器アニスの軽鎧
「んん?」
一瞬見間違えたかと思って手を目元にあてゴシゴシ擦って見直して見たがどうやら見間違えた訳では無さそうだ
いやいやいやいや可笑しいでしょ?神器って何?神器って普通は選ばれた勇者とかしか与えられない物ですよね?しかもそんな代物を2つもって女神様までサービス良すぎでしょこれ
そんな事を考えていたらグリモアールさんが
「次はどうしますか?」
っと聞いて来たがさすがに色々整理したかったので1度宿屋に戻る事にした