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童貞でも戦えますが?  作者: 月神
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1 貴方一生童貞です!

「貴方一生童貞です!」

 安藤解ときの目の前に突然現れた綺麗な金髪ショートカットの美人は凛としてそう言った。

 解は困惑していた。どこからともなくいきなり目の前の美人が現れただけでなく一生童貞宣言をされたからだ。

 「は?お前誰?後一生童貞ってどういう事?」

 いくら脳みそを回転させようとも事態を飲み込めずにいる解はただただ疑問に思う事を美人にぶつけた。

 そんな解が可笑しかったのか金髪美人はクスクスと笑って自己紹介を始めた。

 「初めまして!私は処女の女神ニーナです。貴方は生涯童貞である事が決まりました。そんな可哀想な貴方をこのニーナが性戦に導きに参りました。」

 ニーナという女性はにっとはにかんで見せた。その笑顔は解が生涯みた女性の笑顔の中で一番可憐だった。

 だが笑顔に見惚れている場合ではない。このニーナの言葉の半分も解は理解できていない。

 「女神?聖戦?ごめん、俺電波な趣味は持ち合わせてないからさ。そんなの好きな人同士で話してください。じゃ、俺はこれで。」

 非日常すぎる事態と言葉に怖気づいてしまい解はニーナの横を歩いていく。

 その時、何かにぶつかる。

 目の前は普通に道が続いていて何もないのに、見えない壁のような物に阻まれて通れない。

 「なんだこれ?」

 見えない壁をぺたぺたと触っている解を見てニーナは話し始めた。

 「すみません。私の姿を貴方以外に見られるとすこーしまずいので貴方と私の周りに人間界で言うところの結界?を作らせていただきました。」

 ニーナは解がぶつかった正体の結界をコンコンとか細い指で叩く。

 解は頭を抱えた。まさか自分がこんな事に巻き込まれるとは。こういう事は漫画やアニメの世界だけの特権ではなかろうかと思っていたからだ。

 「えっと話を聞かないと解放されない的な?」

 恐る恐るニーナに聞くと、

 「はい!お察しが良くて助かります!」

 満点以上の笑顔で返すニーナ。

 「まじか……。」

 深く深く溜息をついた。



 諦めてニーナの話を聞く事にした解。

 その様子に満足そうにしたニーナははきはきと話し始めた。

 「はい!ではお話しさせていただきますね。一生童貞が決まってしまった可哀想な貴方には童帝になるための戦い、すなわち性戦に出てもらいます!」

 「端折りすぎだろ!まぁまず一個聞き逃せないのから聞くわ。俺が一生童貞ってのはどういう事だ?」

 そこだけが不思議でたまらなかった。今は確実に童貞で間違いはないし幾度の童貞喪失チャンスを逃してきた解だがこの先の人生で一度もそういう行いをできないっていうのは流石に言い過ぎではなかろうか。

 「あまり気持ちのいい話ではないのですが、むしろ気色の悪い話になるのですが、性戦に出て頂くため仕方ありません。これからいう事はこれから確実に起こる事象なので覚悟して聞いてください。」

 そこからは解にとって悲惨な事がニーナから告げられた。

 これから5年後までに彼女ができる事はなく20代後半になりまだ童貞と言うプレッシャーからエッチなお店に行くがそのお店の女の子にひどい事をしてしまい運悪く怖い人達に見つかり、あれやこれやと事が悪い方向へと進み最終的に去勢されるとのこと。

 「……それ……まじ?」

 「大マジです。」

 ニーナは力強く言う。

 「5年後……去勢……子孫繁栄……不可能……。」

 解は自分の股間を見つめながら薄ら笑いを浮かべた。

 ここである事に気づく。

 「……あ!でも今俺は未来の事を知ったからその運命的な物って変えられるんじゃないのか?」

 「いえそれはなりえません。貴方がどれだけ足掻こうが巡り廻って去勢される運命の歯車はかっちりとかみ合うようにできています。所詮童貞がどれだけ足掻いても無駄って事です。」

 辛辣なニーナの言葉に解は打ちのめされる。

 「ですが安心してください。性戦に参加して頂ければ、貴方が去勢される運命は変わります。いえ……、うまくいけば童貞卒業もできるかもしれません!」

 童貞卒業の言葉を聞いた解はばっとニーナの顔を見つめ肩を掴む。

 「その言葉嘘じゃないよな?俺のデザートイーグルを守れるだけじゃなく発砲許可まで出せるって事だよな!」

 ニーナは少し頬を赤く染めて解の胸を両手で押す。

 「は、はい。そうです。性戦に参加する事は女神の加護を受ける事と同義ですので運命なんてへっちゃらです。」

 解は空を見上げる。雲一つない青空が解の背中を押してくれた。

 「その聖戦とやら、参加させてもらう。いや参加させてください!」

 その場で全力で土下座をしながら大事な物を守る決意をする。

 その姿と言葉にニーナは可愛くはにかむ。

 「その言葉お待ちしておりました。まだ説明は終わっていませんので詳しく話すために場所を変えさせてもらいますね。」

 そう言ったニーナは片手をあげる。すると一瞬の内に近所の散歩道から一転。赤と白の綺麗な部屋へと変わった。

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