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童貞でも戦えますが?  作者: 月神
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プロローグ


 冷たい風が吹く夜の廃ビルの中、一人の男が小さく燃える死骸と共に立っている。男は消えゆく炎をただじっと静かに見つめていた。

 そこに静かに近づく女性、女性は足音もなく男の背後に立ち肩を叩こうとしてやめる。


 気配で気づいたか、男は顔を一度手でぬぐってから振り向き、

 「終わった……。」

 と、一言つぶやいた。


 その言葉になんとも言えない顔をする女性。彼女は喜びとやるせなさと申し訳なさで口を開けなかった。

 そんな顔を見た男もまた口を開こうとしない。


 重くなった口をやっと開いた女性は、

 「願いを……。」


 その言葉に驚いた男は口に手を当て深く考える。彼の頭の中でどういう考えが廻っているのか知る由もない。

 女性は黙って答えを待つ。もう炎も消えて辺りは夜の帳に包まれ、隙間風の音が耳うるさくなっていた。


 男は手を戻し上を向く。隠そうとしているが頬に重力に負けた涙が一筋一筋流れ落ちる。男は涙を拭い、良い顔つきで答えを言う。

 その願いに女性は驚いた後に少しだけはにかみ、

 「良き願いです。」

 そう告げた彼女の言葉は何者よりも優しかった。

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