始めての出会い
「つきましたよ!どーぞ!」
車から降りると校舎であろう建物とその目の前に教習所のコース。
その横に3階建ての寮があった。
「まずは受け付けをお願いします!」
そう言われ校舎に入ると、数人いる生徒が一斉にこっちをむ向いた。
髪が肩までありニット帽をかぶったレゲェ風の男。
ゴツい体をして睨みをきかせているヤンキー。
いかにもガリ勉って感じの、秀才タイプ。
アイドル風のキラキラした女。
3人組のギャル風な女たち。
そして、その中にあの人がいた
僕は一瞬固まった。
とても可愛い風貌で、でも見た目は派手。
色が少し黒くて身長が高い。
(やべっ!この人めっちゃ可愛い!)
「あのー、」
(ハッ!)
受付のカウンターから職員に声を掛けられ我にかえった。
(やべ(笑)見とれちった(笑))
「あ!はい!」
少し上機嫌な声でカウンターへと向かった。
自動販売機のまえでコーラを飲んでる「あの子」がすごく気になる。
書類を提出して受け付けを済ませると職員からその場で説明があった。
学科。いわゆる授業は毎日の時間毎に決められていた。
この日は何時から何時まで。
例えば、明日は朝の8時半から9時20分まで。次は12時から12時50分まで。
このように細かく決められていた。
そのな中に実際に車を運転する教習も含まれているようだ。
(思ったより自由な時間ねーなー)
とりあえず受け付けも済んだので寮に向かう事にした。
校舎から出ようとする時、「あの子」と目が合った。
(まぁでも俺1人で来たし、仲良くなる事なんてねーか
そもそもギャルとか相手にした事ねーしな)
すぐに目をそらして校舎を後にした。
それにしても暑い…
なんで本州の人はこんな所に住めるのか
ケータイを開くと友達からメールが来ていた。
【新潟どーよ?キャンプはやっぱお前帰ってきてから皆で行くことにした!】
高校の友達と数人でキャンプに行く予定があるのを忘れていた。
(早く帰りてーこんな暑いところ居たくねーよ)
僕は早く北海道に帰って大自然の中でキャンプをしたかった。
寮に入ると管理人のおばちゃんが出てきた。
「ご苦労ー、。遠くから来て疲れたでしょう?今日は部屋でゆっくり休むといいわ。上田君の部屋は205だからね。」
優しい口調で説明されて。言葉通り休むことにした。
(まじ?!これさいこーじゃん!!!)
部屋の中は天国だった。
ホテルみたいな部屋で、クーラーはあるわテレビもでかいし
風呂とトイレも別々。
窓からは裏の山が一面に広がっていた。
「やっば!」
思わず声が出たくらいきれいだった。
僕の部屋は個人部屋だが、2人部屋や3人部屋もあるみたいだった。
(く~。個人部屋にしといて正解だわこれ!)
ベッドにダイブして横になった。
廊下から笑い声が聞こえる。
すごいチャラそうな声だった。
恐る恐るドアを数ミリ開けて覗いてみると、
さっき校舎にいたヤンキー風な男とその友達らしい男が
げらげら話していた。
(なにあいつら!ってか筋肉やばっ!)
背は低いが筋肉がすごいヤンキーと
背はそこそこで傷だらけのヤンキー。
(この2人と関わるのだけはやめよう。)
そう誓った。