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コンビニでバイトしてたら  作者: 三毛猫
おさげの女の子編
3/6

3、ミルキーはママの味?

 コンビニでバイトしてたら、セーラー服を着たいつものおさげの女の子が、右手に開いたまま携帯電話を握り締めて、真っ赤な目で、鼻をすすりながら、左手で涙をぬぐうようにしてやって来た。

 いったいどうしたんだろうって思っていたら、無言でぽろぽろ涙を流しながら商品を持ってきたので、何かあったのかな、気になるなと思いながら会計を済ませると、女の子がぺこっと頭を下げて帰ろうとしたので、「あの、悲しいときには甘いもの食べると落ち着きますよ。よかったらどうぞ」ってポケットからミルクキャンディーを1個差し出したら、「あはは…」って女の子は泣き顔のままちょっぴり微笑んで、「お気遣いありがどうございまず。でぼ、だだのがぶんじょうなんでずよぅ…」って言って買ったばかりのマスクを着用してみせた。

「お大事に…」と言いながら、小さな白い手にキャンディーを握らせると、彼女はずず、っと鼻をすすりあげて、キャンディーを握り締めたままの左手で涙をぬぐった。

「…あでぃがどう、ございまず…」

 彼女は小さくつぶやいて、また、ぺこっとおじぎをして店を出て行った。

 何の力にもなれない赤の他人の自分がちょっと悲しかった。

 がんばれ、って心の中でつぶやいた。

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