お金が欲しいなら働きなさい
続けて投降します!!
しかし………何故にこうなる!!
梅の暴走が鎮圧されてから30分ほどたったころ部屋に夕食が運ばれその場にいた梅を除く全員が食事を始め和やかな空気が流れていた
「ねぇ、桂君お願いがあるからここまで漂流してきたんじゃあないの、そろそろお話聞かせてくれないかな?」
鮎の塩焼きを食べながら幼女が対面に座り食事をしている桂に話しかける
「このナスの煮付け美味いですよ母さんも食べてみてください」
「うん、本当に美味しいね、今年はどの野菜の出来がよかったから、きっとこの南瓜の煮物やキュウリの漬物、オクラの煮物、ピーマンの煮物、トマトの煮物、そしてこれは、西瓜の煮物?…って、今日の献立考えたの誰!?」
「これ、詞葉の考えた献立ですね」
縄で縛られ畳の上に転がされた梅が呆れた顔で詞葉にトマトの煮物を食べさしてもらいながら答える
「美味しくないですか?」
「美味しい美味しくない以前の問題よ、お願いだから次からは普通の献立を考えて頂戴ね、それから詞葉このトマトの煮物お世辞でも美味しいと言える味じゃあないわはっきり言うと不味いわよ」
「そんなことないですよ、こんなに美味しい料理が不味いだなんて梅さんの味覚が変なだけですよ」
詞葉は心底美味しそうに西瓜の煮物を食べた後、可哀想な目で梅を見ながら口に残りのトマトの煮物をねじ込んでいく
「まぁ、詞葉ちゃんの味覚「やめ…し、死んじゃう」と梅ちゃんはいったん置いておいて桂君いい加減話してくれないとお母さん怒っちゃうよ」
二人のやり取りをオクラの煮物を食べながら眺め地板桂がしぶしぶといった感じで箸を置き姿勢を正し真剣な顔つきなりゆっくりと口を開く
「神子姫様…いや、ここはあえて母さんと呼びます今回はお願いがあって漂流してきました」
「前置きは、いいから早くお願いを聞かせた欲しいかなー、できれば簡潔に」
「……お、」
「お?」
「お金ないから頂戴」
桂の言葉を聞いた姫神子は、深いため息を吐き呆れた顔をしながら袖から一枚の封筒を取り出して対面に座り一仕事終えたとばかりに食事を再開している桂に投げつける
「これは、何ですか?」
「桂君には、それがお金に見えるの?」
「見えないから聞いてるんですけど」
「とりあえず、何も言わずに開いて中の紙に書いてあること読んでみてよ」
桂は、言われたとうりに封筒から一枚の紙を取り出し読み上げ始める
「大変暑い季節になりお体のほうは大丈夫でしょうか「簡潔に」河童でた助けて」
「桂君には梅ちゃんと詞葉ちゃん達と一緒にその依頼をやってきてもらいます、無事に依頼を終えて帰ってきたらお母さんがお小遣いを上げます」
「いく「ちょっと待ってください」」
桂が報酬の値段を聞こうとした時に横で梅の口にオクラの煮物をねじ込んでいる最中の詞葉の言葉が割り込んだ
「お母さん私まだ会ったばかりで信用もしていない人と一緒に仕事するのは嫌です!!」
「うーん、確かに詞葉ちゃんの気持ちは分からなくはないけど、そこはお仕事ってことで割り切ってほしいかな、それから梅ちゃんが白目むいちゃってるから口に物ねじ込むのは、やめたほうがいいと思うよ」
「どちらも嫌です!!」
詞葉は断ると同時に梅の口に煮物をねじ込むスピードを上げていくと梅の体が突然痙攣したかと思えば糸が切れた人形のように動かなくなった
「桂君、梅ちゃん息してないと思うんだけど大丈夫かな?」
「オーイ、梅生きてるか?」
「…………」
「すでに手遅れか」
「梅ちゃん死んじゃあダメー!!」
「冷奴おいしいです、お母さんもどうですか?」
「うん、とっても冷えてておいしいね、じゃあなくて!!」
「ガキ、煮込み魚も美味いぞ食べてみろ」
「私煮込んだ魚苦手なんですよ、でも焼いた魚は美味しいですね梅さんの勿体無いからいただきますね」
「二人とも現実から目を背けてないで梅ちゃんの蘇生手伝って!!」
必死に梅の蘇生作業をしている神子姫を尻目に桂と詞葉は勝手に話を進めて行く
「お母さんが何と言おうと私会ったばっかりの信頼もしてない人とは仕事したくありません」
「ワガママ言うな俺だって見るからに足手まといになりそうなガキと一緒に仕事なんかしたくねえよ」
「足手まとい?私こう見えてかなり腕には自信が有りますよ」
「寝言は寝ながら言うもんだぞ」
「しっかり起きてます。そんな事も分からないぐらい桂さんの目は節穴なんですね、それに事実私強いです」
売り言葉に買い言葉で話が進んでいく、その隣では神子姫の必死の蘇生作業が実を結び梅は見事死の淵が脱け出しうわ言を呟くまでに回復していた
ちなみに呟いている事は走馬灯の内容である
「まぁ、しょせんガキの言葉だからあまり信用ならないからな、母さん実際のところどうなんですか?」
「何でお母さんに話をふるんですか、信じてないんですか私は強いですよ!!」
神子姫は梅の看病をしながら詞葉と桂を交互に見て視線をおもむろに天井に上げてしばらく唸ったのち視線を元に戻す
「おそらく桂君よりは強いと思うんだよ」
「母さん冗談きついぜ」
「実際詞葉ちゃん強いからねー」
「……嘘だ!!」
「本当だよ」
桂は胸を張って得意げにしている詞葉を変なモノを見る目で見た後すぐに神子姫に視線を戻す
「こんな天然なガキより俺が弱いわけあるか!!」
「あくまで、お母さんの予想だから、たとえ九割方負けると思っててもあくまでお母さんの予言だから」
「予言!!今予言って言った!!」
「ちなみにお母さん、もし桂さんと戦ったら私はどんな風に勝つんですか?」
「うんとね、ちょっと待っててね………」
そう言うと神子姫は梅の胸元から両手程の大きさの折り畳まれた紙を取りだし拡げ、それを畳の上に敷くと自分の袖の中から奇妙な模様の描かれた小石と枝を取り出し無造作に紙の上にばら蒔くと同時に不思議な動きを始め、それを桂と詞葉は神妙な面持ちで見守る
「出ました……丸焼け?」
「何で俺丸焼けになってるんだよ!!」
「あー、なるほど納得です」
「うん、納得だね」
「何が!!」
「話変わるけど、桂君詞葉ちゃん二人共いろいろ思う所があるだろうから一度立ち合ってみようか」
「私はかまわないですよ」
「無視するな!!」
「「桂さん(君)恐い(の?)ですか?」」
二人が嘲笑みながら口にしたこの言葉に桂は西瓜の煮物を箸で掴みながら力強く答える
「戦ってやろうじゃねえか、ただし負けるのはガキだけどな」
「ふん、お母さんの予言道理丸焼きにしてあげます」
「決まりだね結果は、見えてるけど二人とも頑張ってね」
桂と詞葉は火花を散らしながら残りの夕食を片付けていくそんな二人を微笑ましそうに神子姫は見つめながら呟く
「楽しくなりそうな気がするなー」
この後しばらくして眼が覚めた梅と神子姫が二人に内緒で賭けをして結果が分かるのは少し後の話
短めでしたがありがとうございました。
またの後愛読待ってます!!