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謎の少女と酒と縄

久しぶりの投降です。


いろいろとキャラがハッチャケてるけど……………何故こうなってしまったんだ!!



「二人ともひどいです」

    

畳の上に縄で縛られもがいている詞葉が半ベソをかきながらボヤいていた


「二人とも本当に酷いです!!特に桂さんにいたっては完全に八つ当たりです!!」

「なぁ梅、母さんは元気か?」

「ここでも無視ですか!!」

「えぇ、神子姫様なら呪詛をかけたくなるぐらい元気よ」

「そうか、相変わらず元気か・・・残念だ」

「お二人とも無視しないで下さい、そして梅さん呪詛をかけたいって言ってたことバラされたくなければ早く縄をほど「てぃ!!」イッッッ!!」


会話に横やりを入れる詞葉に対し梅が断罪と口封じのツボ押しをする


「うぅぅ、今日は厄日です」


流石の詞葉もかなり痛かったのか目にうっすらと涙を浮かべはじめる

そんな詞葉を完全に無視をして梅がずっと疑問に思っていたことを口にした


「ところで、アンタ用事が有るから此所まで漂流してきたんじゃあないの?」

「おぉ、完全に目的を忘れていた」


この問いかけでやっと目的を思い出した桂が突然立ち上がり廊下に出て勝手に歩き始めた


「ちょっと勝手に行くな」

「えっと、母さんの部屋ってこのかど左だっけ?」

「違うわ右よ左は台所、分からないなら先を一人で歩かないの、こら待ちなさい!!」


必死の停止勧告を完全に無視して歩いて行く

そして、かどに突き当たる度に間違った方に進もうとする


「えっと、次は右か」

「左よ馬鹿、右は野菜倉庫」

「その次は左だな」

「アンタわざと間違えてない?左は米蔵よ」

「・・・次は左だ!!」

「アンタやっぱりわざと間違えてるわね!!左は酒蔵!!」

「・・・・・・・」

「黙るな、あっこら何で酒蔵目掛けて走って行くの、待ちなさい!!」


酒蔵を目掛けて全力で走って行く桂を追うが捕まえることは出来ず結果、長い道草を食うことになった


ーーー 一方その頃 ーーー  

  

「あのー、私はどうなるんですか」


二人の出っていった部屋で縛られたまま放置された詞葉が涙を流していた


「うー、この縄縛ったの梅さんですけど、ほどけそうにないでキャッ」

「詞葉ちゃん、面白い遊びしてるね」


ほどこうともがいていたら急に背中に重みがかかり同時に10歳くらいの少女の楽しそうな声とほのかに甘い匂いが背中から降りてくると詞葉は、ぐったりとして動かなくなり項垂れてしまう

      

「あれ〜、詞葉ちゃんどうしたの元気ないよ具合悪い?」

      

少女が心配そうに詞葉の顔を覗き込みながら髪を弄り三編みやお団子などにして遊び始める

       

「体は大丈夫です、でも今にも心が折れそうです」

「それは、どういう意味かな詞葉ちゃん?」

「そのままの意味です、それよりコレほどいて下さい!!」

「そんな事より詞葉ちゃんどうして、こんな所で縄で縛られちゃって、そう言う趣味に目覚めちゃったの?後、髪結いにくいから動いちゃメッだよ」

「うー、相変わらす人の話を聞かないですね親の顔が見てみたいです」


詞葉は縄をほどいて貰おうと懇願するが神子姫は、その願いをあっさりと無視をして話を続けて行く

        

「理由は梅さんにお仕置きをされてるからです、断じてそう言う趣味に目覚めたとかじゃあないです!!

後、髪あんまり結わないで下さいほどけなくなります」

「なんだ、違うのか残念だな〜」

「何が残念何ですか!!」

「大丈夫だよ詞葉ちゃん、詞葉ちゃんがソッチの趣味に目覚めちゃったらお母さんが可愛がってあげるから」

「目覚めることは無いはずですから心配無用です!!」


幼女の言葉に全力の否定と突っ込みを入れる


「あのー、いい加減これほどいて下さい」

     

そして縄をほどくお願いも忘れずにしておく

     

「ん〜、どうしようかな?」

「意地悪しないでほどいて下さい、梅さん適当に縛ったのか体に縄が食い込んで所々痛いんです」

「そうだね、縛り方が悪いから一回ほどこうか」


この言葉とほぼ同時に縄がほどかれ言葉の体が自由になり上半身を起こすが


「ありがとうございます助かりました、でもさっき一回ほどくって言ったのは聞き間違えです…よ………あれ?」

    

急に眠気に襲われ畳に倒れ込んでしまい不思議に思い幼女の顔を見るととっても楽しそうな顔をしていた 

     

「やっと薬が効いてきたみたいだね、最近詞葉ちゃん薬に対して耐性がついてきちゃったから大変だよ」

「最…初の甘い匂いは薬だった……んで…す」

「安心して眠っていいよ、お休みなさい詞葉ちゃん」    

凄く優しい微笑みだったが詞葉には分かっていた、この後自分の身に起こるであろう惨劇を…

詞葉は最後の力を振り絞り呟く

   

「今日は、厄日です」

そして意識が闇の中に消えていった



――― その頃 ―――



「おっ、この酒は」

「こら、勝手に飲まないの!!」     

桂は勝手に酒蔵に入り酒を物色し続けるそれを梅が咎めるが一切聞く耳を持とうとしない

     

「こちらの酒は……旨い」

「だーかーらー!!」

「しかし、神社にこんなしっかりした酒蔵必要ないだろ」

「いいえ、神社(うち)には必要よ大変重宝してるわ」

「もしかして、この酒蔵に入ってる大量の酒の大半が巫女達の胃袋に入る予定とか?」

「半分正解よ、確かに大半が御神酒じゃあ無いのは当り、間違いは巫女達の胃袋でわなく神子姫様の胃袋が正解よ惜しかったわね」

「相変わらずとんでもないな」

「えぇ、相変わらずとんでもないわ」


二人が揃って遠い目をしながら苦笑いをする

   

「しかし、宗教的に大丈夫なのか巫女が酒をかっ喰らって神に使えれるもんなのか?」

「大丈夫よ、ウチは神道だからお酒は問題ないわ。第一神子姫様から言わせたら神様達が呑んでるのに私達が呑んじゃあ駄目って不公平だと思うだそうよ」

「相変わらずとんでもないな」

「えぇ、相変わらずとんでもない人よ」


先ほどとほぼ変わらないやり取りなのに最後のお互いの苦笑には懐かしさが読み取れる。

しかし目だけはお互いに遠い彼方を見つめていた。そんな中、桂が突然真剣な顔をして立ち上がり歩き出す

    

「どうしたの?」  

「よしこの酒にしよう」

「は?」


桂は壁にかけてあった瓢箪を手に取り酒蔵の奥に大切そうに置いてある桐の箱を開け中に納めて有った酒瓶の栓を抜き、その中身を無造作に瓢箪の中に流し込み始める


「止めなさい、そのお酒は神子姫様が大切にしてるお酒だからバレたらアンタだけじゃあなく私も怒られるから!!」

「なるほど母さん秘蔵の酒か、だからあんなに旨い訳だ、ヨッと」

        

梅が止める為に捕まえようとするがそれを桂が身をひねってかわす

そして最後の一滴が瓢箪の中に入ると詮をして意気揚々酒蔵から出ていく

      

「梅、早く母さんの部屋行くぞ」

「あぁ、絶対怒られる」

「気にするな人はいつか死ぬものだ」

「誰のせいだと思ってるのよ!!」

「……………」

「コラ黙るな、はぁアイツ12年たっても精神面は昔のままだわ」

  


そんな梅の溜め息混じりの呟きも鼻歌を上機嫌に歌いながら歩いて行く桂の耳には入っていない







あれから色々な困難(主に桂の摘まみ食いや道草)を経て目的の部屋の前にたどり着いたがソコには深い謎を秘めた先ほどとは比べ物にならぬ程の困難が待っていた。


「……どうゆう状況?」

「黙っててよく聞こえないわ!!」


余りの困難の大きさに目的の部屋に着いて五分ほどたつが二人とも部屋に入るどころか襖に手をかけようともしない

正確には、桂は酒の入った瓢箪を片手に棒立ち梅は襖に耳をあて鼻息を荒く情報収集の真っ最中

桂が呆れたと言わんばかりに深いため息をつくと目的の部屋の中から………


「ふぅ…ん、う〜〜、ふぅーーーー!!」

「クックック、ココがええんかココがええんか」

「んーーーーーー!!」


コレである

何故か目的の部屋から艶のある少女の吐息と、とても楽しそうな幼女の声がしている

この訳の分からない状況のせいで、入るに入られず立ちぼうけをくらっていた


「いい加減入ろうぜ」

「ま、待ちなさい中の状況がよく分からず入るのはとても危険よ!!

万が一、部屋の中であんな事やこんな事が行われていたら…………ハァハァ」

    

梅は自分の妄想の世界に入ってしまたのか桂が先ほど立っていた位置より三歩ほど離れ哀れみの視線を送っていることにも気づいていない  

  

「とりあえず、お前が危険な人物だって事はよく分かったから、その荒い呼吸と今妄想でいっぱいの頭の中を正常に戻してくれ」


この桂の言葉で元の世界に戻ってきたのか梅は襖から耳を離しわずかに乱れていた服装を直し軽く咳払いをした


「少し取り乱したわ」

「少し?」

「黙りなさい、しかし冷静に声を聞いてみて気がついたけどこの声詞葉だわ」

「よく分かるな」


桂が素直に感心をする

(ついでに二歩元の位置に戻る)

実際、口に詰め物でもされているのか声はこもっており聞き取りずらく人の判別などまず出来ない


「私が詞葉の声を他人と間違える訳ないわ、特にああゆう声は……ふふふ」

「…………(四歩遠ざかる)」

「何無言で遠ざかってるのよ」

「気にするな」

「相変わらず変な奴ね」

「お前がほどじゃあない」


二人はしばらくにらみ合いをした後どちらともなく視線を外しまた目的の部屋の襖に視線を戻す


「しかし、どう「んーーんーー!!」したもんか」

「そうね、このまま「逃げようとしても無駄だよ、今からこの大きいの詞葉ちゃんの中に入れちゃうからね」じゃあ大変な事になるわ!!」


中から聞こえる会話?を聞いて梅は廊下でワタワタとしだす

ちなみに桂はもう三歩ほど部屋から離れる


「ふぅーーーんーーー!!!!」

「アハハ、そんなに暴れたってその縄はほどけないよ」

「んーーーーーー!!」


どうやら詞葉は何かから逃げようとしているらしい

そして廊下では、梅が完全にパニックになり隣の部屋に突撃していき中で何かを漁っている


「どうしよう!?私の詞葉が私以外の人の手によって大人の女にされちゃう!!」

「まぁ、落ち着けって」

  

パニックで訳が分からなくなっている梅に対し桂はとても冷静であったが梅が漁る部屋の中から聞こえる物音を聞き冷や汗を流し始める   

   

「止めなきゃ、そして私が詞葉の中に入れないと……その為には、まず邪魔者二人を消さないと……ふふふ、待っててね詞葉今行くからね」

「おい、今二人って言ったか!?そして今手に持ってる物を放せ長巻きは洒落にならん!!」


部屋から出てきた梅は手に長巻きを持ち目は虚ろである

そして同じ言葉を繰り返しながら隣の部屋、つまり目的地である部屋の襖の前に立ち止まり流れるような動作で長巻きを正眼に構えた


「詞葉待っててね今行くから今行くから今行くから今行くから今行くから今行くから今行くから今行くから今行くから今行くから………」

「おーい、いい加減現実に帰ってこーい」


そして、いつの間にか桂は梅の真横に立ち梅を説得するため耳元で囁き始める


「キミ馬鹿な事は止めなさい、今から君がしようとしている事をご家族のヒッ!!」


が突然桂の前髪が切れ数本廊下に落ちる

しかし、梅は長巻きを正眼に構えたまま微動だにしていない

ちなみに桂は梅から五歩ほど右に離れた場所で騒いでいる


「えっ!!どうやって斬ったの!?つーか、今殺気を感じたぞやっぱり二人って俺も含まれてたのか!?」


そんな、桂は放っておいて部屋の中はというと


「ん、ふぅ……ん」

     

明らかに詞葉が大人しくなっていた

     

「ふぅー、知ってる詞葉ちゃん薬もタダじゃあないんだよ」


また薬を盛られたらしい

しかし、薬を盛った人物は言葉とは裏腹にとても楽しそうに話している


「ふ、んん……ふぅ」

「まったく、なんであんなに抵抗しちゃうかな?すっごく気持ちよくなれるのに」

   

この言葉を聞いて梅の顔から表情が消え口だけが同じ言葉を呟き続ける

  

「詞葉は私のモノ私のモノ私のモノ私のモノ私のモノ私のモノ私のモノ私のモノ私のモノ私のモノ私のモノ私のモノ私のモノ私のモノ私のモノ………」 

   

そんな外の様子など知るよしもなく、中では楽しげな幼女の声がしている  

   

「ふぅ……ふぅ」

「さぁて、気持ちを切り換えて入れましょうか……この大き「くーたーばーれーーー!!」梅ちゃん!!」


ついに我慢の限界を超えた梅が部屋の中に突撃をし詞葉に不埒?な事をしていた人物に斬りかかった

ちなみに襖はお約束で蹴破られている

   

「くたばれーー!!」

「ちょっと、梅ちゃん長巻きで斬りつけられる意味が分からないんだけど!!」


しかし、勢いよく斬りかかった梅だが頭に血が回り過ぎているのか思考がどこか違う世界に飛んでいるのか

もはや、関係のない部屋の装飾品も破壊している

    

「くーたーばーれーー!!」

「梅ちゃん落ち着いて、きゃー、畳が酷いことにその壷は斬っちゃダメーーー!!」

 






この後、梅の暴走が止まるのは五分ほど後の話であるそして詞葉の縄がほどかれるのは、もっと後の話である

「ふーーーーーー!!(いい加減ほどいて下さい!!)」

次回もなるべく早く上げる予定ですのでよろしくお願いします。

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