第6話
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しかし、ある日、中庭をマリンと2人で通りかかった時、2人が抱擁を交わしている姿を見てしまいました。
私はそれを見た瞬間、酷い吐き気に襲われました。
口を押え、その場から動けなくなっている私の視線の先に何があるか気づいたマリンは、私をそれが見えない木陰に運んでくれ、その後、2人のところへ突撃してくれました。
後日、正式な謝罪の場が設けられ、父と2人で出向くと、そこには青筋を浮かべたガルシア公爵様と申し訳なさそうに下を向く公爵夫人、落ち着かない様子でソファに座るブロント様の姿が見えました。
私が来たことに気づくと、
「レイラが見たのは、ティアラの髪に花びらが付いていて、それを取ろうとしたとき、彼女がバランスを崩してしまい、抱擁を交わしているように見えてしまっただけとはいえ、君を不安にさせてしまって本当に申し訳ない」
と、少し言い訳をしつつも腰を90度おった謝罪をブロント様は見せました。
私は、
「頭をあげてくださいませ。もうこのようなことをしないと誓ってくださるのならば、私は平気でございますわ」
と伝え、父は、
「娘を傷つけることが二度とないよう、お願いしますね」
と威圧を放ちつつブロント様にそう言い、公爵夫妻にも同じようなことを頼み、その日は帰路につきました。




