第32話
「どお?分かった?」
ティアラ嬢はこちらの目を見てきます。しばらく見つめられた後、
「チッ、やっぱあんたかかんないね。そういう体質なのかな」
ティアラ嬢そうは吐き捨てました。
「んーとねぇ、じゃあ仲がよかったマリンとブラントとエクシアを置いておいてあげりゅ。卒業パーティーが終わるまでになんでかここてで吐かせといてね。たまに来るからそん時、らいたいの怪我は治せるけど無理なのもあるかりゃ気をつけてね」
「はい」
「レイラの家のやつが探しにきたら呼んでね〜やるから」
「かしこまりました」
その返答を聞いてふふっと笑いティアラ嬢は取り巻きたちを連れて去っていきました。
……今の、このタイミングで捕まるのは完全に予想外でした。
なんて、そんなことはありません。
逆にこのタイミングでティアラ嬢が離れ、ティアラ嬢の魅了魔法にかかった人がいるということは一番良い未来でした。
「……最高ね。では、やってみましょう――」
私を見張っているマリンとエクシア様、そして私を抑えているブラント様などお構いなしに、スウッ。と大きく息をつき――
『△△〇△』
その魔法を唱えた瞬間、まばゆい光がその場を包みました。




