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第31話

「わたしはねぇ、ナルフィン男爵家に生まれてね、どーせ調べたあんたも知ってると思うけど家ではすっごく可愛がられてたんだぁ」


 彼女の言う通り、ルシウス様とティアラ嬢を探るようになってからティアラ嬢のことを調べましたが、そのような報告もされていました。


「何不自由ないようにパパとママに育てられて幸せらったの。らけどね、私が10になって光魔法を持ってるって知ったらパパとママはなんか変わったの」


 それも聞きました。


光魔法(これ)があればもっと良くなるって、私もそう思ったから別に反対したりしなかったんだ。でも、思った以上に勉強が大変れねぇ、ストレスが溜まっちゃったの。そん時かなぁ魅了魔法(あの魔法)が使えるようになったのは」


「……」


「最初使ったときはそれが何かよくわからなくて、戸惑ったけどパパとママに相談したらそれが何か教えてくれて、それについての魔法書を持ってきてくれたんだぁ」


「!?あの魔法の魔法書は全て燃やされたんじゃ……」


 思わずそうティアラ嬢の話そさえぎってしまいました。

 ルシウス様と見た文献でも確かにそう記録されていたはずでした。


「人の話は最後まれ聞けって言われなかった?れぇ、口塞いろいて」


 ちょんちょんとマリンの体をつつきティアラ嬢が言うとマリンは光の灯っていない目をこちらに向け私の方によると私の口絵を手で覆ってきました。


「うん!いいねじゃあ続けるね」


 ティアラ嬢は笑顔でした。


「魔法書でそれを勉強してから、時々私はそれを使うようになったの。最初は独学でさ、今思うと凄いムラがある、拙い魔法だったけど当時から去年だっけ?それくらいまではそれで満足してたなぁ」


 目をつむったティアラ嬢はそのときのことを思い出しながら話していました。


「らけどね、思ったんだ。私がこの力を使えば平和で楽しい国をつくれるんじゃないかなぁって!!素晴らしいでしょう?だから私は今まで頑張って来らってわけ」


 どう?偉いでしょうとティアラ嬢は胸を張っていました。

 何も反応がないことに気が付いたティアラ嬢はマリンに、


「ああ、マリン。そいつ離して耳塞いでる子にもういよって教えてあげて」


 指示を出しました。


「かしこまりました」


 私を雑にポイっとやるとマリンはすぐにティアラ嬢が言ったとおり行動をし始めました。


「かひゅっ――」


 マリンに口を塞がれほぼ空気を吸えなかったため、解放された瞬間に大きく息を吸い込みました。


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