第28話
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「本当は在学中に余裕をもってこの問題を解決したかったのだがな……」
「余裕をもっては厳しいですわね」
「せめて卒業パーティーまでには間に合わせたいな」
卒業パーティーは卒業式の後に行われるもので、この学園の卒業式は生徒と先生、生徒たちの親だけでなく、国王陛下、お妃さまもいらっしゃる大切なものでした。
聖女の試験の次の日から私は学園に行き、放課後に私の家へルシウス様をお招きしティアラ嬢の問題の解決ために頑張っていました。
ルシウス様が言っていたように、はじめは3年生の夏くらいまでには解決していたかったのですが、問題のスケール的にも厳しく卒業までに解決したい、すると変わっていました。
「ティアラ嬢、隠すのが上手いですね」
ティアラ嬢は中々情報の粗を出しませんでした。
「ああ。だが早めに決着をつけないと、最近兄上が父上にティアラ嬢を合わせたがっているらしいからまずいことになるかもしれない」
「!国王陛下にティアラ嬢を!?」
もしティアラ嬢が国王陛下に魅了魔法を使ったりでもしたら最悪の場合国が乗っ取られてしまうかもしれません。
「それはまずいですね……」
「だから、俺はこれを持ってきたんだ」
と言ってルシウス様はカバンの中からある物を取り出します。
「!!これは……」
私とルシウス様は思わずハイタッチをしました。




