第27話
「素晴らしい!満点ですよレイラ嬢」
ニコニコと笑みを浮かべそう言ったのは私の試験を見たムアム司教です。
「ありがとうございますわ」
試験は半日聖女としてある村に派遣されそこで怪我や病気の治癒をしてその際の手際や対応を見るという内容でした。
私は、今まで先生に習ってきたものを生かして試験に挑みました。
よく学び、何度も反復練習をしていた成果が満点という結果で返ってきて嬉しかったです。
聖女の試験を合格した人は4月に行われる聖女祭という大きいお祭りでお披露目をされます。新しい聖女毎年は数名いるかいないかなため、聖女の紹介が終わり言葉をもらったら後はただのお祭りで平民だけでなく貴族もお忍びで来たりしています。
私も毎年ブラント様と一緒に行っていました。
「今年の合格者はレイラ嬢だけだから、聖女祭で1人しか紹介されないけれど気張りすぎないでくださいね」
「はい……少々不安ですが頑張りますわ」
と私はこぶしをつくって司教様に言いました。
「あと、このことなんですが……」
「ああ、もちろん当日まで誰にも喋らないですよ」
「ありがとうございます」
ティアラ嬢に今まで秘密がないか何度か探られているため、私が光魔法を使えると卒業前に知られてはルシウス様との活動に不都合が生じてしまう可能性もあります。なので司教様の口留めを試験の前から頼んでいました。
「じゃあ、大分暗いけれどお気をつけて帰ってください」
「今日は半日ありがとうございました」
「ええ、お疲れさまでした。試験に合格したとはいえ、正式に聖女となるまであと3,4カ月程あります。それまでこの合格に気を緩めることなく光魔法の練習をしといてくださいね」
「はい、もちろんでございますわ」
「それでは、明後日に」
「ええ。よろしくお願いいたしますわ」
その日、家までの馬車の中で疲れ果てた私は熟睡しました。




