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第21話

「よく学園に来れましたね」


「恥ずかしくないのかな」


 私は二週間ぶりに学園に行きました。

 なぜなら、ブラント様と正式に婚約破棄をして療養をいただいたためでした。

 婚約破棄の理由は上手く丸め込まれ名誉のために公表されないことにされましたが、私が休んでいた間に私に非があるように脚色された話が広まっているようでした。


「ブラント様という婚約者がいながら浮気をしたりしたのでしょう?」


「ええ、あの頬を叩かれたというのもブラント様に追求されて焦ったレイラさんがブラント様を悪者にしようと自分で作ったものだったと聞きました」


 クスクスと笑い声が聞こえてきます。

 なんかもう慣れてきましたがね。


「レイラ嬢、おはよう」


「おはようございますルシウス様」


 それでも変わらずルシウス様は私に話しかけてくださいました。

 

「どうせあの話は嘘なんだろ」


「あはは……」


「否定しないのか?」


「もうなんでもいいですわ……」

 

 諦めたように微笑む私を見てルシウス様は


「ティアラ嬢のあれは俺もおかしいと思うんだよ

なぁ」


「はい?」


「だって嫌いよりだったマリン嬢もエクシアもあんなんになってたしね」


 !!マリンは私も知っていましたが知らぬ間にエクシア様もだったなんて……。


「一緒に探してみないか?ティアラ嬢の秘密」


「!!」


 いたずらをする子供のような表情をするルシウス様。そして右手を差し出してきます。


「お互い婚約者はいないし二人でいても何も言われないぞ?」


「分かりました……やってやりましょう」 


 私はルシウス様の右手を握り返しました。


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