第2話
今から13年前、5歳だった私――レイラ・ローニャは先方のからの申し出により、ガルシア公爵家の次期当主であるブラント・ガルシア様とお見合いによって出会いました。
ガルシア公爵家は、私たちが暮らしているハインリッヒ王国の建国時からある由緒正しい貴族で、ハインリッヒ王国の筆頭公爵家です。
侯爵家という家柄で、跡継ぎには2つ上の兄がいたため、私に声をかけてきたのでしょう。
ブラント様の第一印象は、とても容姿に恵まれている方だなというものでした。
ふわりとしたブロンドの髪、ダイヤモンドのように美しい瞳。
話していると何気ない動作にも優雅さが感じられ、次期公爵家当主という肩書も相まって、女性には困らないだろうな。と思いました。
実際、私もすこし会話をしただけでブラント様に惹かれていましたし。
ブラント様も私のことを気に入っていただけたようで、私は彼の婚約者になりました。
それから、お茶会や城下町にお出かけに行き、仲を深めていきました。その時間が本当に幸せでした。
ブラント様は私の髪などの些細な変化にも気づき、可愛い!とよく言って下さりました。私はそのたびに顔を真っ赤にしていたと侍女が話してくれました。
時々、彼から贈り物をされる事がありました。それが本当に嬉しく彼の贈り物へのお返しを何日もじっくり考えていました。その時間も大好きでしたわ。
初めての誕生日にで淡いピンク色のストックの花を模した髪飾りを頂き、その髪飾りは昨日まで毎日身に着けていました。
その他にもお手紙などで、愛の言葉を送り、彼からも送られてきた愛の言葉を見、何度も頬が緩みました。
ブラント様はよく
「君のラベンダー色の髪、真紅の瞳を見ていると癒されるよ。優しくて可愛いし」
と私の容姿や性格を褒めてくださいました。
私も、自分の気持ちをしっかり伝え、いつも心からの笑みを浮かべていました。