表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/45

第17話

「ルシウス様、お久しぶりです。同じクラスになれて光栄ですわよろしくお願いいたします」


「ああ、こちらこそよろしく」


 私は後ろの席のルシウス様に話しかけました。

 今年は初めてマリンとクラスが離れ、まともに話したことがある人はルシウス様のみでした。

 ルシウス様とは、ブラント様といろいろあった件で私もルシウス様も気を使って話すことはなくなっており、話したのは数カ月ぶりでした。


「それにしても、クラスが上手に分けられたよな」


 ルシウス様は苦笑交じりに言います。


「……はい」


 私たちの学年は9クラスありました。

 私とルシウス様は2組に、ブラント様・第一王子・宰相の息子・騎士団長の息子・大商人の息子のいわゆるティアラ嬢の取り巻きたちは9組に分けられていました。ちなみに、マリンとエクシア様は4組に配属されていました。


「はぁ。でももう3年生か……そろそろ卒業後のこともちゃんと考えないとだよな」


 先生が来るまでの間、私たちは話をして待っていました。


「ルシウス様は何になられたいのですか?」


「俺はなんだろうなぁ……レイラ嬢は?」


「私は、みんなを笑顔にできる人になりたいですわ」


「笑顔に?」


「はい。聖女様のようなお方に」


 それを聞いたルシウス様はまぶしいほどの笑顔を浮かべ、


「いい夢だね」


 と言ってくださいました。



 ブラント様はあの件以来どんどんと疎遠になっていきました。

 それは、あの件を気まずく思ったのであろうだけでなく、以前よりティアラ嬢にご執心になられたからでしょう。

 まるでカモの親子のように他の方々と後をついて回っておりました。


 ティアラ嬢の支持はなぜか上がっていき、ティアラ嬢のファンクラブもつくられ、8割以上の生徒だけでなく先生までもがそれに加入しているという謎の現象が起こりました。

 

「ティアラ様は今日もお美しいわ……」


「存在してくれてありがとう……」


 などとティアラ嬢を一目見るだけで限界化する人は沢山いました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ