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第13話

「おい……レイラ。ティアラにまた暴言を吐いて暴力をふるったというのは本当か?」


 またもやブラント様に捕まりました。


「いえ。ティアラ嬢とは最近そもそも話しておりませんわ」


 もちろん私は否定します。


「ティアラ……服の下に見たのだ。やけどの跡を」


「!?服の下……?どうしてそのような状況になったのですか」


 私は驚いてそう聞きました。

 普通服の下の傷なんてあったとしても分からないでしょうが今ブラント様は見たとおっしゃいました。


「前にティアラが着替えている場所に出くわした時見たのだ。そしてその数日後にレイラがティアラを呼んだという噂を聞いたのだ」


「……はぁ」


「そうなるとティアラにやけどを負わしたのはレイラしかいないだろう、それに今俺が服の下のやけどを見たといったときお前は焦っていただろう」


 ブラント様はおひとりで連想ゲームをしてその結論に至ったようでした。

 私は、服の下のやけどの部分ではなくて服の下を見たというところに驚いたのですがね。


「……そのやけどはどのくらいのものだったのですか」


「だいぶ大きかったぞ」


 ボッ――私は掌の上に炎を出しました。

 その炎は50㎝ほどのものでした。


「!?何をするのだ」


「この炎は私の最小威力のものです。この炎ならば上半身は丸ごとやけどになるくらいの怪我はするのではないでしょうか」


 私はその年の生徒の中で魔法・座学はトップの成績でした。

 魔法は魔力量が多く、精度の方もセンスがあったようで二年生の今でも魔法使いの花形と言われている魔法省本部からスカウトを受けるほどでした。


「レイラなら操作できるのではないか」


「あいにく、まだ未熟なものでこれ以上は小さくできませんわ。それにティアラ嬢は光属性を持っているため怪我をしたらすぐに自分で治せるのではないでしょうか」


「……」


「しっかりとした根拠がないですね」


「……れ」


「え?」


「黙れ!!」


 バチン――

 私の右頬に鋭い痛みが走りました。


 ブラント様は自分の行いに気が付いていないようでした。

 しかし段々と我に返ったのか


「あ……レイラ……ご、ごめ」


 と謝る声が後ろで聞こえましたが私は走って逃げました。




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