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二つの選択肢

 シアルーンの現状を聞いたリンドル王国での話です。

 長くなったので2回に分けました。


 「それではシアルーン様は、婚約破棄された上に、平民の身に落とされたのですか!

 何という酷いことを…」


 ここは、リンドル王国の王城の王族しか入られないエリアの一室である。

 防音と、周りに魔法で侵入者排除のバリアが張られたこの部屋に、国王と王太子、それにアランフリードが集まっていた。


 アランフリードの癒しの甲斐があって、すっかり健康を取り戻した国王と王太子は、オランドールに潜ませている諜報員からの報告書を手にしていた。


 「この報告書によると、貴族籍を剥奪されたシアルーン嬢は、城から出された後、城下に下りて真っ先に古着屋で着ていたドレスを売り、古着の服を買い求めて、神殿に向かったそうだ。

 古着屋では、更に値切って服を手に入れたと、普通の貴族令嬢ではあり得ないと諜報員も驚いていたよ。

 王太子妃教育では、たった4年で全ての教育を終えられ、学園では毎年首席を取られる優秀な方と聞いておる。

 普通の、か弱そうな貴族令嬢では無いようだな。

 まあ、その後神殿の治療院で治癒の巫女として働いておられるそうなので、差し迫った危険は無いだろう」


神殿で保護されたのなら一安心であるが、貴族籍を剥奪されたのは、どれだけ負担になるだろう。

 すぐにでも助けに行きたいとアランフリードは思った。


「陛下、シアルーン嬢を助けにすぐにオランドールに行きたいと思います!彼女が助けてくれなかったら、私はコンクールに出る事ができず、陛下や父上の命を救う事はできませんでした。彼女は、私達の恩人です。彼女を救いたいのです!」



「アランフリード落ち着け!

 お前がこの国を出国するなら、2つの選択肢のどちらかを選ばなければならない」


国王は、アランフリードに静かにこう言った。


 「一つは、次の王太子になって国王になる。

 もう一つは、離宮に幽閉されて生涯そこで暮らす。

の2つだ。

 

 アランフリードは、父を見つめ、不思議そうに聞いた。


「父上、バーキング伯爵家を継ぐという選択肢がありませんが?」


 バーキング伯爵家を再興するというのは、亡き母の悲願だ。

 母の悲願を自分は叶える義務がある。


 国王がアランフリードの手を取ると、語りかけた。


 「其方のバーキング伯爵家を継ぎたいという願いは知っておる。

 しかし、王権の簒奪を試みたコルベール公爵が処刑され、第一妃は幽閉された。

 更に第一王子と第三王子は、王位継承権を剥奪されて、辺境の砦に一兵士として飛ばされたのだ。

 この大きな動きに他国の間者が気がつかない訳が無い。

 恐らく王子達の罪状とアランフリードの能力が他国に伝わる事だろう」


 父もアランフリードに向いて、苦しげに口を開いた。

 「其方の能力は、死の間際にいるものでも生き返らせる信じられないほど貴重な物だ。

 どこの国も其方を何が何でも手に入れようとするだろう。

 だが、王位を継ぐ立場になれば、さすがにどこも手を出せない。

 しかし、伯爵家程度では、どこかの国が手に入れるのを防ぐために、最悪殺される恐れがある。

 そして、其方を手に入れた国が悪意を持って攻撃してきた場合、其方の能力は、この国の脅威になって跳ね返ってくるのだ。

 今出国するのが一番危ない時期だというのは、わかって欲しい」

 


 父の言葉に、アランフリードは応えた。


「父上、それなら安全にシアルーン嬢を助けに行ける方法があります。

 私に任せていただけないでしょうか?」


 それからアランフリードは、国王と王太子に自分の策を披露し3人で検討した結果、国王の出国許可を得たのであった。



 初回に書いたテーマの「紫」をどこで出すか迷っています。

 勝負に勝つには最も効果的に出さなければなりません!

 友人とPV数で争うわけでも無く、ただお題をどう料理するかで始まったこの勝負。

 何が楽しいの?

 私もわかりません。

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