第二話 ベランダに魔法少女?
階下と隣に引っ越しの挨拶を終わらせた。隣の加藤さんが引っ越し作業中の様で、室内があらかた片付けられていたのが見えた。片付け中にご挨拶に伺ったのはご迷惑をかけてしまったのか?と思うと居た堪れないが晴れて無事引っ越しも隣と階下へのご挨拶も完了した。他の部屋は離れているから良しとしよう。
(うちが入り、隣は出る、入れ違いか‥‥‥このマンションもせわしないな)
雷太を帰らせ、風呂上がりにアイスを食べながらテレビを見ていると、ベランダから明るい光が差し込むと同時に、大きな物音が聞こえた。カーテンを開けて外を見るとベランダに金髪碧眼の少女が立っていた。
「座標がズレたわ。直すのも面倒だから、あなたアカリの所に連れてきなさい。」
「誰?」
「アカリよ加藤朱莉」
「加藤??お隣の人かな」
靴を脱いでもらい玄関まで連れてくると、
少女は玄関のシューズボックス上に飾ったあった
ガチャコレクションフィギュアを見て興味深く手に取った。
「此れは何?」
「ガチャで出たフィギュアだよ、コイン数枚を機械に入れて、レバーを回して丸いプラスチックの玉が出てきて、その中に、小さなおもちゃが入っているのを集めてるのさ。」
「何故集めるの?」
「俺は欲しいレアが出てくると嬉しいし、集めてくのが楽しいからね、なにが出るかな?とワクワクもたまらないのさ」
少女は、なにか納得する顔になり迷惑代にと
握手しながら『ガチャシステム稼働』とつぶやいた。
彼女を連れて隣のチャイムを鳴らすとバタバタと
廊下を走る音が聞こえ、玄関があいた。
少女をアカリさんに引き渡し、部屋に戻り、この不思議な現象を疑問に思う前に睡魔がやってきたので、ま、いっか!と寝てしまった。