歴史を守るための奇妙な戦いの戦記
8時02分。俺は学校に今日もまた登校した。
そして下駄箱の入り口の扉を閉めた。
すると後から来ていた友達が扉をどんどん叩く。
「おい!開けろよ!ガキが。」
「お前も俺と同じだろ。」
そうツッコミを入れて僕は扉を開けてあげた。
「すまんすまん、いたずらしたくなっちゃってね。」
「そのためだけに全力疾走して入り口閉めんのかよ...。」
教室につき朝の会を始める。
「出席番号3番、伊妻海斗」
「はい。」
めんどくせぇ一日が始まったことを認識した。
そっから昼休みまではボーっと窓の外を眺めていた。
一羽の鳥が青空を泳いでいた。昔はあの空を爆撃機が飛んで、空も火のように赤くなっていたのか。
そんなことを考えていた俺は図書室に向かった。
俺は歴史の本を手に取った。歴史が好きなのだ。
一人で本を読み始めた。周りには誰もいない。
「へぇ、ビザンツ帝国は鍵の閉め忘れで滅んだのか。国ってあっけないんだな。」
本を楽しんでいると俺はあるページに目が留まった。
「こりゃなんだ?第一次世界大戦の塹壕の中に、真っ黒のスーツ姿の男がいるぞ?
しかも持っている銃は何ともSFチックだ。」
黒い男に目を奪われていた俺は後ろから声をかけられた。
「君は歴史が好きなのかい?僕も大好きだよ。ふーむ、この写真の黒いスーツを着た男は」
俺はなにか不気味な気配を察知して振り向いた。
「僕にそっくりだね。」
写真の中の男がいた。
「君は見てはいけないものを見てしまったんだ。私は君を殺さなければならない。」
服の中からあのSFチックな銃を出す。
「待ってください!一体あなたは何者なんですか。」
「死ぬのだから構わない。教えてあげよう。
私はHDC(Historical Defense Commission)のエージェントだ。」
理解が間に合わないままエージェントは銃を向けてきたが、彼は一つ提案をしてきた。
「このままでは君は死ぬが、たった一つだけ生き残る方法がある。」
「君もエージェントにならないか?」
「いくら仕事といっても高校生を殺すのは心が痛むからね。
ちょうどHDCは新エージェントの募集をしているんだ。さぁどうする?」
生きたい
「なります!」
「そう答えると思っていった!これで上司に怒られずに済む...。」
「今なんて言いました?」
「別に。なんでもないよ。」
そういってエージェントは笑ったが口元が突っ張っていた。
「今夜君の家におじゃまさせていただくよ。両親にはばれないようにするから安心してくれ。」
「なぜです?」
「君を採用試験が行われる2245年10月4日に連れていくためだ。」
どうやらこの人は未来から来たらしい。
胸に少しのワクワクを抱いて家に帰った。