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透明人間徘徊冒険譚  作者: あ
6/6

三日目 学校

家の近くの学校へと忍び込んだ。

授業中なのだろうとても静かだ。

背徳感というか、学校をずる休みして昼にカップ麺を食べているときのような、

あの何とも言えない高揚感が全身を支配している。


授業中なのでドアが閉まっているところが多いな。

無理に入ることはできないし、と歩いていると

後ろのドアが開いている教室を見つけた。


あぁ自分が学生の頃も熱いからと言って、

後ろのドアを開けているやつがいたなぁなんて考えながら、

授業参観の親のような気分で入る。

そうすると小テストをしているようで、みな黙々とペンを走らせていた。


あぁ、目の前に可愛い女の子がいる。

頭がいいのだろう、小テストはすらすらと埋めている。

この子の胸をそっと触ったらどんな反応をするだろう。


頭の中で妄想が働く。

透明人間だからできることをしたいのだ。

そうだ、だからこれは悪いことではないのだ。

そっと、そっと

近づく。


にしても白いカッターシャツだとブラが透けるなぁ

こんな水色のブラをつけて見せているのかなどと

おじさんのような気持ちの悪い思考が頭に浮かぶ。


自分はセクハラおじさんになどなりたくないが、

思考は完全にもうなってるなぁなんて思いながら

ついに間近まで接近しひとさし指でつつく。


反応がない。

さすがに弱すぎたか。

じゃあちょっと強く。


反応があった。

よほど驚いたのだろう、ペンの先は紙に線を描き

先ほどから埋めている解答の上を描く。

女の子はすぐに冷静に、

しかし違和感を感じながら消しゴムを使い、

再度急いで書き直している。


これはいい。

素晴らしいものだ。

やはり直接的じゃあだめなのだ。

少し軽いそれでいてエロティック。

これだ、俺が求めていたのはこれだ。


終了と教師が声をかける。

女の子はしっかり埋めれたようで、

さっきのことなど気のせいにして忘れているようだ。


休み時間、スカートのことなど気にせず無造作に足を開いている。

まぁある程度したから覗かないと見えない程度には気にはしてるのだが、

自分には関係のないことだ。


気持ちの悪い体勢で気持ちの悪い男が気持ちの悪い思考で気持ちの悪くのぞき込む。

あぁ最高だ。

いまやっと生きてると感じる。

これだ、これこそが生きてきた理由だったのだ。

人のためなどくだらない。

自分の欲求が急速に満たされていく感覚。

自分の中の枯れていたものに

水が足されていく感覚。

生きてるって、素晴らしい。

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