旅の始まり
う?う~ん?むむむ、どうやら意識が飛んでたようだなぁ。
ベットで寝ているんだけど、ラナが寝させてくれたのか?
やっぱりフカフカなベットだな。
「あ、お嬢様お目覚めですか?」
ラナが俺に声を書けてくる。
お目覚めっちゃ、お目覚めだな。
うん。
「え~、あ~うん。そうかな」
ぐぬぅ、まだ頭がボー、とする気がする。
もうちょっと座っておこう。マジで頭痛が痛い。
あ、間違えた頭が痛い。
ん?あれ?あれれ?なんか忘れてるような気がするぞ?
何だったかなぁ?
「なぁ、ラナ?何か俺忘れている気がするんだけど。」
ん~?何か、本当に忘れている気がするんだけどなぁ?
何だ?何を忘れているんだ?
「旅には出られないのですか?」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥!?
あ、あぁ、ああぁぁ!?
「お、俺ってどのくらい気絶してた!?」
「え?そうですね、ほんの30分って所ですかね?」
「そ、そうか。良かった。」
俺は無意識に胸を撫で下ろす。
それなら今から出てもまだ間に合うな。
よかった、よかった。
イヤ、忘れている気がするのそれだけじゃないような?
何か頭がモゾモゾする。後は尾てい骨の部分も何か変な感触が?
頭と腰の辺りを手で触れてみる。
ふわふわしてる。おぉ、これはスゴいふわふわだぁ!気持ちいい。
あれ?でも、これって俺から出てるんだよね?
少し引っ張ってみる。
え?く、くっついてる?
まさかこの得体の知れない何かが俺から生えてる!?
もしかして忘れている事ってこれの事か!?
「ラナ、今の俺の姿ってどんな感じか教えてくれないか?」
「うむむ、ふむふむ、そうですね~」
何か、俺の事をスゴい見てくる。というか凝視してくるんだけど。
えぇ、俺そんな酷い格好してるの?マジで?
どんな格好だ?ふわふわしているって事は動物系なのか?何だ?何の動物何だ?
出来るならあんまり目立たないやつが良いんだけどな。
「ふぅむ、そうですね。言うなればニャンコちゃん?」
ニャ、ニャンコ!?う、嘘だろ。
これは目立つんじゃないか?
だって、頭とおしりから猫耳と猫尻尾を垂らしてる人間なんて早々居ない、‥‥‥‥‥‥居そうだな。
「こんな格好の種族って居るのか?」
「え~と、確か種族名が猫人族っていう亜人が居たと思います。」
そうか、よかったよかった。これで居ないなんて言われたら目立って仕方がない。
後はそうだなその種族が標準的に居るかってとこだな。
そうじゃないと周りの視線がウザくて仕方がない。
「猫人族は普通に何人も居ますが、少し格好が可愛いからお店のエロ親父にサービスされてるの見ました。」
うわぁ、俺はそんなことよりラナさんって毒舌な所にビックリだよ。
怖いなぁ。
後は猫耳と猫尻尾は異世界でも適用するのか。
なるへそなるへそ。
誰かの言葉だったけか?え~と、確か
『可愛いは正義!!』
まぁ、ワザワザおねだりみたいなことはしないけどね。
とりあえず服を着替えようかな。
尻尾の部分をどうにかしないといけないし。
「それならこの服がよろしいかと思います!可愛さも控えめで、さらに魔力に反応して使用者の思うがままに形を変えられる素晴らしい一品です!」
おぉ!スゴいな!流石異世界だ。
まぁ、服もスゴいんだけど何気に俺の思考をトレースしてるラナさんが一番凄いと俺は思うんだ。
「メイドとしてのたしなみです」
そうかなぁ?それってメイドなのかなぁ?
何か違うもののような気がしなくもないけど
さて、ここは掛け声を一つ
「変装も終わったし服も着替え終わったし準備万端!いざいかん!俺達の旅へ!」
「えいえいおー!」
ラナの掛け声で少し気が抜けなくもないが
今から俺達の旅が始まる!!
そうは意気込んだは良いものの今現在俺達は城門の前で止められている。
どうやらまだ伝えられていなかったようだ。
まさか相手も今夜に出るとは思ってなかったようだ。
…………ふぅ。
「しまらないなぁ」
俺は星が光輝く夜空の下でそう、ぼやいてみた。