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異世界帰郷  作者: 火桜
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魔法の書

書き直した第一話目です!

大分というかもう完全に別物になってしまいました。

すいません。

主人公の性格については大分違います。

前と今で似通ってる部分はあります。


ジリリリリ


朝を知らせる音がする。

どうやらそろそろ俺は起きないといけないらしい。

俺はそんな憂鬱な思いをしながら布団から出る。


「う、うーん」


体を伸ばしたりしてみるが一行に目が覚めない。

そんな眠りついた思考で朝御飯をどうにか食べようと昨日買ったサンドイッチを口の中に詰めこみ牛乳で胃に流し込む。


「学校行かねーと」


そんなことを俺は寝ぼけ眼で言いながら制服で身を纏っていると突然家のインターホンが鳴る。


「はーい、今出ます」


こんな朝から誰だろうか?と考えてみるが未だに眠りついている思考ではその人物でさえ記憶の中から手繰り寄せれは出来無いようなので考えることを放棄し玄関の戸を開ける。


「おはよう!一緒に学校行こ!」


そこには恐らくというか確定的に自分と同じ学校の制服で身を包む可愛らしい少女が居た。


だが自分の家に来たこの可愛らしい少女が誰かわからない。

こんな少女が学校に居ただろうか?

そもそも同じクラスメイトの顔と名前さえも覚えてはいないのだが。


そんな自分に家まで迎えに来てまで学校に一緒に行こうと誘う人物が居るのだろうか?

いや、居ないだろ。


「あー、えーと、すまないけど誰?」


自分も案外酷いことを言うものだと思う。


「もう!寝ぼけてるの?それでも酷いよ!私のことを覚えてないなんて!あんなにずっと話かけてたのに」


どうやら初対面では無い様子だ。

だが相手には申し訳無いがこの少女については本当に記憶に無い。どれ程俺が周りを見ていないか解る。


「あー、あぁ、うん。解った。でも、まだ歯も磨いて無いからもう少しだけ外で待っててくれないか?」


対応はこんな感じで良いのだろうか?

良くわからないが。

間違っていなければ良いのだけれど。


「え?あ、うん解ったよ!でも今日何か私に優しいね?いつも話すら聞いてくれなかったからこうして来たんだけどね?」


ふむ、対応は間違っているらしい。

あと何故この少女が記憶に無いのか解った。

俺は学校では大体の時間寝て過ごしているか自分の好きなラノベを読んで過ごしてはいるのだが、恐らくラノベを読んでいる時は本当に周りが見えていない。

つまり、話し掛けてきても耳に入らない訳だ。

視界にも入って無いだろう。

それでも話し掛けても無反応の異性の家に来るだろうか?それが最近の女子なのか?


とりあえず俺は洗面所で歯を磨き、顔を洗った。

そこでようやく目が覚めるのだった。

昼前にはまたぶり返すのだろうが。


そのあとその少女と対話と言うにはおこがましい程の一方通行な対話をしながら学校へと進んでいく。


教室に着くと寒気がするほどのおぞましい視線に晒された。

妬み、怒り、怨み、そんな視線が俺に全て突き刺さる。


どうやら俺は他人の感情を読むのが得意らしい。

まぁ、こんなあからさまな物では誰でも気付くだろうが。


そんな視線をできるだけ無視し自分の席に着き自分の鞄を漁り何冊かあるラノベを取ろうとする。

その時手に馴染みの無い大きさの一冊の本が入っていた。

取り出し表紙を見てみるが随分と古そうな本だった。ファンタジー世界なら随分と値の張りそうな感じだ。

そもそもこんな本を自分は鞄の中に入れて持って来ていただろうか?

とりあえず中身が気になる、やはり人間は好奇心には勝てない様だ。


そこには見たこと無い文字が書いてあった。


「なんだこれ?何処の文字なんだ?」


だが、不思議とその文字が読める気がした。


「帰還魔法?」


なるほど、ファンタジーっぽいと思っていたら魔法の書と来たか。

これは流石に予想外だ。

都合良く式句も有るようなので唱えてみようか?


いやしかしこう言う物には危険性があるというのがつきものだ。

さて、どうするか?うーん。やっぱり人間は好奇心には勝てないな。

これ以上周りの視線が酷くなるのは避けたいので小声で唱えるのだが。

それでも周りの奴が見ていたらかなりヤバイ奴認定されてしまうけどな。

でもこれを言うのか、少し恥ずかしいな。


「我が力を捧げその結果を望もう。我が望むは帰還なり。彼の世界へ戻り帰還することを望む。」


俺が式句を唱えていると周りから少し視線がキツくなり声が聞こえだしたが今はそれは頭の中から消え去る。


「この力を扱いし我が名を示そう。我が名は

kugaraazak uoak。あらゆる力を扱いし我が血筋よ今こそ我に力を与えん。【帰還魔法】」


シーン、何も起きない。やはり偽物なんだろうか?それでもこれほど頭にスラスラ知識が入って来るのもおかしい気がしなくも無いが。

途中文字化けしたように発音が可笑しかった所があったけど。

どこだったのだろうか?不思議ともう書いてある文字は読めないし、無意識に唱えていたのか何と言っていたか詳しくは覚え出せない。


ならばこの本は一体なんだったんだろうか?

とりあえず俺はその本を鞄にしまうことにした。

そんなモヤモヤとした思いを抱きながら学校が終わるのを待っていた。


学校にいる時間もあっという間に半分を切り、昼の時間になった。

だが俺は最悪なことに今日の朝は急いでいてしまっていたために、ご飯を家に忘れてしまっていた。

しかも財布も家に置いてきてしまった為に学校の購買という現地調達もできないという有り様だ。


このままでは午後の時間をやり過ごせない。

どうしたことか。

そう俺が悩んでいると隣から急に話し掛けてきた人物が居た。

どうやら今朝の女子の様だった。


「どうしたの?もしかしてご飯忘れちゃったの?」


それほどまでに俺はわかりやすい状況の様だ。

確かにお昼の時間に机に突っ伏していては誰でも解るだろうけど。


「あぁ、えーと、そんな感じかな」


うぅむ、やはりあまり話したことのない相手だと俺のコミュ障が発動してしまうようだった。

ちなみに中高と共に友達記録0を限界突破している俺なので話す相手も居ないのだが。

独り暮らしでもあるので親とも話さないからな。

そう思えばいつぶりだろうか?人と話すのは?

いや、それでもネトゲのボイチャでは有るし。

うん、ここまで来ると重症だな。


「た、大変だよ!それなら私のお弁当わけてあげるから!」


な、何と今言ったのだ!?この小娘は!弁当をわけっこだと?そんなことをすれば俺への視線の痛さはさらにましてしまうのだ。

それだけはどうにかしても避けたい。これ以上の敵意は何をもたらすか解ったもんじゃない。


「い、いや俺は良いよ!朝沢山食べたし」


これで引いてくれると嬉しいのだけど?


「それでも駄目だよ!!ご飯はちゃんと3食食べなきゃ!」


ぐぬぬ、引いてはくれないか。

ならば粘るまで!


「本当に良いから!ね?」


まだ!まだ諦める訳にはいかない!


「むむむ!そんなに私のお弁当食べたくないの?手作りなんだけど」


な!?止めろ!止めてくれ!そんなこと教室の中で言ったら!

俺はそっと周りを見渡す。

特に男子の目から俺のことを絶対に殺してやるっていう目をしている。


く、もう帰りたいよ。自分の家に。


『術者の意思を確認共に、魔力の消費を行います。失敗しました術者から代償の贄として記憶を支払われます。』


は?え?ちょっと待ってくれ!もしかしてさっき使った魔法が今発動したのか!?

しかも記憶を代償にするってどういうことだ!?


どうやらこの機械音のような声は俺にしか聞こえてないようだ。

周りを見ても誰も聞こえている様子はない。


すると教室全体が幾何学的模様、言うところの魔方陣で覆われた。

流石にそうなるとクラスメイトも気付きだし慌て始める。


ど、どうすれば良いんだ!?

や、ヤバイぞ!?こ、これどうにかして止めないといけないんじゃ!?


そう考えていると突然頭に鋭い痛みが走った。

痛みと共に魔方陣が発光し点滅しだした。


点滅する度に俺の記憶が消えていく。

ゲームのギルドの記憶。

みんなでやったゲームの領地戦。

素材集め、クエスト、ボス討伐。

あ、ロクな記憶じゃないな。


クソッ!どうせ異世界にいくなら!最強のチートにしてくれよ!神様よ!


そして教室内が異様な程の光りを発し、その光が消えた頃にはもう生徒達は消えていた

































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