人類の勝利の条件①
「それじゃあ、まず君の名前は?」東雲は女性に問う。
「…ッ、機械人形なので、名前なんてありませんよ」
彼女は少し口を詰まらせて、それから告げた。
「そうなのか、でも、何かしらの呼び名は必要なのだが」そう東雲が言うと、
「では、神崎さん、私に名前をつけていただけますか?」そう言って慣れたように彼女は微笑んで神崎に問いかけた。
「え、僕ですか⁉︎」神崎は急に話を振られ目を見開きながら驚く。
その顔がおかしかったからなのか、クスクス笑いながら、
「ええ、神崎さんがいいんです。」と彼女は言った。
「……………….、じゃあ華さん、ってのはどうでしょうか?」少しの間のあと、おずおずと神崎は彼女に聞いた。
「華、ですね、いいと思います!」違和感なく自分の名を口にして、華は満足そうに笑った。
「んっんんっ、仲がいいのはいいが質問していいかい?」咳払いをして空気を断ち切ると、東雲は再び華に問いかけた。
「華さんは、なぜ機械人形に連れ去られそうになっていたんだ?」最もな疑問を東雲は投げかけた。
「それは、私が人類の味方をしようとしていたからです。それが原因で捕らえられそうになり、逃げていたら、あそこで捕まったんです。」そう彼女は答えた。
「…そうか、わかった」矛盾がないことを確認して、東雲は納得した。
「それで、人類が勝つための条件ってのはなんなんだ?」東雲は真剣な顔で一番肝心な質問をした。
「東雲さん、そもそも知性ってどこから生まれてくると思いますか?」華は、東雲の質問に答えることなく、問い返した。
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