女性の目覚め③
「型:戦闘形態武器:原子崩壊」
そう女性は小さく告げた。
腕が変形した。他に形容のしようがなく、変形した。
一瞬腕が右腕が太く長くなり、メタリックな構造が腕の隙間から見える。その後機械独特の音がしながら変形し、右腕は、銃身と呼べる形になった。
2人はただ黙って見ている。いや、驚きで理解が追いついていないのであろう。
そんな2人を見て女性は
「やっぱりそんな顔をするのですね。」少し眉を下げ諦めたように言った。
そして2人が反応できずにいる間に、
「発射」そう告げて、黒い機械人形を消した。
女性が我を取り戻した2人のもとへ戻ってきた。
「お前は機械人形なのか?」東雲が警戒心を剥き出しにして問う。
「ええ、私は機械人形、でもあなた達人類を勝利に導くためにここにいるの。」女性は静かに言う。
「嘘をつくな!機械人形が人類の味方をするわけがない!東雲は語調を強くして叫び、魔術を起動し始める。
「私は人類が勝つための条件を知っているわ!」女性は訴えかけるように悲痛に叫ぶ。
「東雲さん、話だけでも聞きましょうよ」そう神崎はやっと口を開いた。
「馬鹿なことを言うな!機械人形ごときを信じるのか⁉︎」苛立ちにも似た感情を乗せて東雲は神崎に言った。
「少なくとも!彼女は1番の危機である俺らを助けてくれたし、あの黒い人形を消したじゃないか!」
神崎も東雲に対抗するように強く声を荒らげる。
「…っ」その言葉に東雲は少し冷静さを取り戻す。
「もっと言えば、機械人形は人に慈しみを抱かないはずだ。俺は死体を踏みつける機械人形を沢山未来で見たんだ!でも、彼女は死体ごとあの黒い人形を消し去る事も出来たはずなのにそれをしなかったし、死体踏みつけることなんて一切しなかった!それでも彼女を疑うって言うのですか?」神崎は必死に彼女を弁護する。
「神崎さん…」女性は目に涙を浮かべる。
「…わかったよ」東雲も神崎の熱意に押され、渋々ながら認めた。
「じゃあ、俺の家で話聞くか」そう言って東雲は踵を返して、自宅に向かって歩き始めた。
「神崎さん、また信じてくれてありがとうございます」そう女性は目を潤ませながら例をした。
「いえ!俺はただあなたの振る舞いが印象的で…//」少し照れながら神崎も答え、2人は、東雲の後を追いかけた。
注意点や改善点などがありましたら是非教えて下さい。