女性の目覚め②
ガタンッ、部屋に音が響く。
東雲はその音で目が覚める。「神崎」そう呼んで東雲は神崎を起こす。
2人して寝ていたことに気がつく。窓からはまだ光が差し込むことなく、まだ開けていないようだ。
隣の部屋から音がしたので見に行くと、寝ていた女性
が起きていた。
「おい、目覚めたのか」東雲が問いかける。
その声に反応するように、2人の方を女性は振り返る。
「「……ッ」」声が出ない。あまりの美しさに2人は呼吸すら忘れ去られた。
「…神崎?」そう恐る恐る躊躇いがちに、小さく女性は問いかけた。
「誰?」神崎は知るはずもない女性に名前を呼ばれそう聞き返した。
ビクリ、そう体を少し震わせたあと、
「隣の部屋でそう呼んでいるのが聞こえたので…、
ごめんなさい!」
そう言って、2人の間を走り抜け、東雲の家を出て行った。
慌てて2人は女性の後を追いかける。
「おい」東雲が走りながら神崎に問いかける。
「ああ、あの人が向かってる先は魔術結界の核がある場所だ、もしかしてあの人が…」
神崎も東雲の言いたいことに同意する。
2人は追いかけて、とうとう魔術結界の核のある場所に辿り着く。そこで女性は足を止めていた。
「「なっ…」」
2人して声を失う。
目の前に広がっていたのは、見知らぬ黒い機械人形と、その周りに倒れている20人以上の魔術師の死体であった。
「おい、そこの女性、離れるんだ」東雲が女性を捕まえて言う。
「事象改変」
神崎は黒い機械人形に魔術を使う。
空間が歪む。しかしその後すぐに、何も変わることなく元に戻った。
「馬鹿な!何でだよ!」神崎が驚いて、叫ぶ。
「無駄よ、その人形に魔術は効かないわ。だから都市の内部で動けるの。」そう淡々と女性は告げる。
「やっぱり君は機械の仲間なのか!」
神崎が女性に向かった言う。
またしても、悲しく笑って
「いいえ、私はあなた達人類の味方よ」
そう言って、2人の前に彼女は立った。
注意点や改善点などがありましたら是非教えて下さい。