神崎の正体②
(ちくしょう、何で魔術都市なのに機械に攻め込まれているんだ!もう終わりじゃないか)
神崎は悔しく、それを飲み込むために心で呟いた。
ドンッ、ドンッ、と遠く近く関係なく戦う音が聞こえてくる。もう何百体と機械人形を倒したが、すでに神崎は魔力は尽きている。
倒し終わると次に、黒いローブを被った見た事のない型の人形だった。いや、ローブを被っているから、実際は違うのかとしれないが、少なくとも神崎には、そう見えた。
(ちくしょう、ここで新型かよ、本当、とことんついてないな)そう諦めて、死を覚悟した。
「神崎!」気がつくとすぐ近くに、鎧を着た1人の男がいた。顔はローブのフードで隠され見えなかった、赤い魔術隊の紋章が入っていたので、味方なのはわかった。
「誰だ」神崎は問う。
「いいか神崎、お前は過去に戻って、人類を救え。お前なら、必ず人類を勝利に導ける。」神崎の言葉を無視してその男は告げた。
「は?どういう…」神崎は質問をする間も無く、その男に銃のようなものを向けられ、打たれた…
「それで、気づいたら、あの場所にいたと?」そう東雲は、神崎の説明を聞いて質問する。
「ああ」いつになく真剣に神崎は答える。
「つまり、その謎の男に送られて人類が敗北する未来から来たってことか」東雲は頭を整理するように言う。
「そうだよ、さらに言えば、俺の記憶では東雲さん、あんたは、さっきの戦いで死ぬはずだったんだ。そして、俺だけが生き残ったんだよ、俺はそれを止めたくて、ああやって助けたんだ」そう言って神崎は、東雲が生きていることに安心を覚えて言った。
「信じられないな」東雲は疑うが、
「でも、そうでもないと説明がつかないだろ?」神崎は説得する。
「まあ、そうだな」腑に落ちないようだが、一先ずは納得したことに東雲はした。
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