司令塔へ
「じゃあ、行こうか」朝日が昇り、周囲が薄明るくなり始めた頃、東雲達はそう言って魔術都市を出発した。
「それで、その司令塔はどこにあるの?」神崎は聞く。
「南西方向に800キロ程度のところですね」華は答える。
「800キロ⁉︎それは徒歩じゃ無理があるんじゃ…」
神崎は驚いて、返事をする。
「そこは気合ですよ!何事も為せば成るというやつです!」と華はキメ顔で神崎の方を向いた。
「とまあ、冗談は置いておいてですね、東雲さんとも昨日話し合いましたが、私が連れていくので安心してください。」華は真面目な顔に戻ってそう付け足した。
「連れて行く?え?」神崎は戸惑い声を出す。
「いいから見ておけ」東雲は訳知り顔で神崎に言う。
「型:飛行形態」華も東雲に同意するようにして、呟いた。
背中部分に突起のような形が作られた伸びるように変形していく。それはまさしく翼であった。
「天使だな」それ以外に例えようがないと神崎が呟く。
「あれ?もしかして見惚れてしまいましたか?そうでしょう、私の美しさからすれば天使と思うのも仕方ないと思いますよ」などとさも当たり前のように華はドヤ顔をしている。
そのドヤ顔にイラつきを覚え、2人は口を揃えて、
「「はいはい、天使ですねー」と、流すように言った。
その反応に納得がいかないのか華は、
「そんなこと言って、神崎さん私のこと意識してるの知っているんですからね?」と少し挑発するように笑顔をし、言った。
「…//」図星であり、神崎は照れて何もいえなくなる。
「ほらね、バレバレですよ」と満足したように華はクスクス笑うのだった。
「じゃあ行きますよ」華はそう言って2人の手を取り、空を駆け上った。
「うわ、凄いな」これまでにない経験に東雲は驚嘆の感想を口にする。
「すごい、遠くまで見える。」と神崎も同意して、感想を述べる。
普段ならば、飛空人形と何度も戦闘になってもおかしくないのに、不思議と出会うこともなく、
3人は司令塔へと向かっていった。
「あれが司令塔か」そう東雲が口にする。
それははるか先にあるにもかかわらず、肉眼で見えるほどの大きさを誇るものであった。
注意点や改善点などがありましたら是非教えて下さい。