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ノート
『死にたい。私の人生は生まれた時から終わっていた』
思わぬ内容に固まってしまう。
やや癖のある字だった。
死にたい?何で?人生が終わっていた?
疑問に思ってページをまたぱらぱらめくる。どのページもびっしり書き込まれていた。
「1999年、もしあの時自分が生まれていなかったら沢山の人を悲しまさずに済んだのに」
どういうこと?
何なんだよ。
その場所だけ紙面に皺が出来ていた。
丸い形をしたものが三箇所。
皺に手を当てて、目を瞑る。
ああ、これ涙の跡だ。
間違いない。
なぜこんなノートがあるのか?
祖母に何があったのか?
俺は気になって仕方がない。
胸がザワザワして、見てはいけないものを見てしまったような罪悪感を同時に感じる。
俺の知らない祖母の姿がそこにはいたのだ。
更に次のページを恐る恐るめくる。
そして、俺は涙が止まらなくなった。
全てを知ってしまって。
奥でポボーンという間抜けなロボ娘の充電切れの音がした。