再会
そして、待つこと三〇分。
部屋の扉が開いた。住人はコツコツと階段を下っていく。
それは、まさに彼女だった。
数週間ぶりに見た彼女は、少しやつれたようだったが、元気そうだった。
それを見て、おれは少し安心する。
「じゃあ、行くか」
金田はそう言った。おれは、うなづく。
賽は投げられた。
「佐藤さんっ」
おれたちは、叫んだ。
彼女はビクッと肩を震わせて、こちらを振り返る。
おれたちの姿を見て、彼女はとても驚いたようだった。
そして、クスッと笑う。
「どうして、ふたりとも、ここにいるのよ?」
彼女はいつもと変わらない笑顔でそう言った。
※
「金田くんの力を使って、わたしの居場所を見つけたんだね」
近くにあったカフェに移動して、状況を説明した。
「「ごめん」」
おれたちは、必死に頭を下げる。
「あのね、ふたりとも……。やっていることは、犯罪ギリギリだよ。ほとんど、ストーカーだよ。わかってる?」
「「大変、申し訳ございませんでした」」
さらに、深々と頭を下げた。
「まあ、わたしも何も言わずにいなくなっちゃったからね。非はあるよね」
「いや、でも、それは……」
「理由はどうあれ、友だちに心配をかけちゃったね。本当にごめんなさい」
そして、彼女は少しずつ語り始めた。




