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二日目の夜①

 そして、おれたちは、金田の別荘に帰ってきた。みんな、口数が少ない。クタクタだったようだ。

「結構、歩いたから、疲れたな」

 別荘に着くと、おれはそう言った。みんな無言でうなづいている。

 みんなも同じ気持ちだったようで、夕食までの二時間は、各々の部屋で休憩となった。

「悪い、おれ少し昼寝するわ」

「おう、いっぱい寝ておけよ。今日は寝かせないからな」

 意味深な発言しているんじゃねえよ。そう思いながら、おれはベットの中に潜り込んだ。

 なんとなく、金田は無理をしているように思えたのだけれど、睡魔がすぐに襲ってきたのだった。どうせ、今夜はたくさん話せる。佐藤さんが行動するのも、きっとまだ先だろう。


「ふうう。よく寝た」

 目がさめると、一時間半が経過していた。外の風景は、夕焼けとなっていた。

 金田は、どこかに行ってしまったようだ。この部屋にはおれだけだった。

 もしかして……。思うところはひとつだった。

「まさかな」

 そう否定する。なぜか、否定しなくてはいけないような気分だった。

「ほんとうにやっかいなことに、巻き込まれたもんだぜ」

 ぼやかなくてはやってられなかった。本当に損な性分だ。これだから、ギャルゲーの親友ポジは嫌なんだよ。リアルなんてクソゲーだ。


「おう、山田。起きたか」

 自暴自棄になっていると、すぐに金田は帰ってきた。

 昼寝前よりも、元気そうだった。なにか、吹っ切れたような顔だった。

「いま、起きたところだよ」

「そうか、もうすぐ夕食だぞ」

「おう、いまいくよ」


 台所にいくと、すでに料理はできていた。今回は和食のようだ。

「お待たせしました。今日は、海鮮丼・あさりの味噌汁・海鮮サラダですよ」

 まずいわけがない組み合わせだ。完璧すぎる。これぞ、海辺のご飯。おれは、沈みかけていたテンションが急激にあがってしまう。


「「「「いただきます」」」」

 四人が集まって、食事が開始された。みんな休んだからか、さきほどよりもイキイキしている。

 おれは、海鮮サラダに手を付けた。白身魚の刺身・サーモン・いくら・タコなどの海産物の風味がとても美味しかった。味噌汁も、あさりの出汁がとても効いていたし、海鮮丼は言わずもがな。最高だった。

「美味しいですかな」

 管理人さんは、にこにこしながら料理を頬張るおれたちを眺めていた。

「最高です。ここに住みたいくらいです」

 おれがそう言うと、みんなが笑いだした。最高の瞬間だった。

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