表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
金持ち彼氏と貧乏彼氏  作者: D@2年連続カクヨムコン受賞
第五話 スポーツ大会!?
37/96

スポーツ大会⑦

 第一セットが終わると、三分間のインターバルがある。おれは用意された椅子に座って、気分を落ち着かせようとしていた。スポーツドリンクを飲む。深呼吸をする。金田に勝って、優勝するイメージを妄想する。


 だが、

 

 落ち着くわけがなかった。

 おれが自信満々の強打を、やつは易々とネタ付きで返球してきた。そのせいで、おれの心は粉々だった。自信が揺らいでいく。この三分間で、簡単に回復なんてできるわけがない。


 -絶望-


 景色がセピア色に見えた。もう、終わるのかもしれない。あきらめが心の中を支配する。おれが、金田に勝つなんて無理だったのかもしれないな。そう思った時、


「山田くん、すごかったね」

 聞きなれた声が、おれに話しかけてきた。

「佐藤さん……」

 彼女がそこにいた。


「惜しかったね、第一セット」

「うん」

「でも、かっこよかったよ。今日だけは、金田くんじゃなくて、きみを応援してる」

 彼女はいたずらっ子のような笑顔で微笑んでいた。


 始まりの合図が鳴り響いた。

「じゃあ、がんばってね」

「うん、ありがとう」

 短い会話だった。でも、おれにとっては最高の時間だった。世界は色づいておれを待っている。


 さて、第二セットをはじめるとしよう。

 おれは意気込みを強めて、台へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ